「クレヨンしんちゃん 激突!ラクガキングダムとほぼ4人の勇者」の感想

※ネタバレ・駄文乱文(感想なので!!)


新型コロナウイルスの影響により4月から延期されていたクレヨンしんちゃんの新作映画が9月11日に公開された。以下は感想です。


ポスターに心を奪われてここずっと心待ちにしていた。公式サイトからのあらすじを掻い摘んで説明すると、

ラクガキをエネルギー源としている王国『ラクガキングダム』の王国軍がエネルギーを得るため春日部への進撃を開始!一方、描いたものが動き出す、王国の秘宝「ミラクルクレヨン」に選ばれたしんのすけ。描いたラクガキたちと春日部奪還を目指す!

というストーリーだ。さて、多くのクレしん映画といえば「野原一家の絆」か「かすかべ防衛隊の絆」を題材にしたものが多いと思う。ファイヤー!

しかしこの映画はそれを主軸にしていない。捕まっている。序盤で捕まった。

運良く難を逃れたしんのすけは謎の人物からクレヨンを受け取り、訳あって遠くへ飛ばされる。ひとりぼっちで森の中に飛ばされ、クレヨンとスケッチブックしか持っていない状態で始まるのだ。絶望だ…

しんのすけは謎の人物から言われたことを思い出しラクガキを始める。このクレヨンは描いたものを具現化できるチートアイテムなので、パンツやら火やらブタやらななこおねいさんやらを描き始める。ここで「偽ななこおねいさん」が生まれるのだが、このキャラが非常に良い。

しんのすけはななこおねいさんの隣に「しんちゃんすきよ♡」というセリフを書いたので、このキャラはそれしか喋らない。肯定の意味などですきよ、と話しかける。顔こそラクガキだが、しんのすけを膝枕したり仲間を担いで逃げたりと非常に美しく、優しい性格である。このキャラを見て癒されるだけでも観に行く価値はある。

しんのすけは他にもパンツとぶりぶりざえもんを描いた。パンツは模範的なツッコミ役だが、ぶりぶりざえもんもまた素晴らしいキャラだった。

ぶりぶりざえもん(以下ブタ)が登場する映画作品といえば『ヘンダーランド』『ブタのヒヅメ大作戦』だが、声優の塩沢兼人氏の逝去によりここから先登場しても無声だった。

しかし21年振りに映画でセリフがつく。声優は神谷浩史氏。やけに声が良いと思ったらなるほど……無気力なcv神谷を観るために劇場へ行きましょう。映画での活躍もかっこいいのでブタが出てくれて本当に良かった。


ここまでざっくりとしたあらすじとフニャフニャした感想を書き散らしたわけだが、この映画の視聴について重要なことを記していない。

重い。

内容が重いのだ。ラクガキという題材はポップでかわいいのだが失敗すれば国が滅ぶし、仲間や家族は強制労働させられており、仲間もブリーフ、女性、ブタだ。世界を救うために最善の選択をしなくてはならない。途中で加わった現代風な男の子もまだ小学生くらいだ。こんなメンバーならお気楽にスーパーおえかきバトルできそうではあるが、そうは行かない。

そもそもこの映画は珍しいことにバトル要素が少ないのだ。5歳児が勝てる相手は少なく現実的に、見つかったら拘束、捕まったら強制労働である。クレヨンで出せるものにも限度がある。

そんな5歳児を市民が責めるシーンがある。危機一髪で助かり辛いものを見て親の肩にだきつくしんのすけに、モブの市民が擦り寄り、助からないと分かるとよってたかって暴言を吐く。最悪………………………………………………………………その他にもトラウマとまではいかないがあまりにも悲しいシーンがいくつかある。5歳児だぞ!やめたげてよぉ!

正直新しい監督に不安しかなかったが、映像も音楽も演出もデザインも全てに感情を揺さぶられるような映画を提示されて驚愕した。私の感想だが、クレしん映画の中でもTOP3には入ると思う。

クレしん映画にはゲスト声優(芸能人がそこそこ出番のある脇役に声を当てる)という文化が脈々と受け継がれているが今年の声優の方は違和感も棒読みなシーンもなかった。それどころかストーリーの中のキャラクターとして完成されていた…


しんのすけ+オリジナルキャラクター5人という類を見ないメンバー構成の話だったが、ストーリーに関して悪い点が見当たらなかった。私は映画オリジナルキャラクター断固反対!と顔を真っ赤にしてキーキー言うタイプだが、文句を言う点がどうしても探せない。

王国のお姫様かわいい!最高!防衛大臣ステキ〜〜〜〜〜〜〜♥♥♥♥♥♥♥♥終わります。ありがとうございました。クレしんファンはもちろんただのアニオタでも観に行けます。


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