ピアノ教室⑥

前回⑤

半年前から週一でピアノ教室に通ってるわけだけど、先日先生から「ピアノ教室に通って習うっていうのは、どうですか?」と聞かれた。どう、楽しんでる?ってことを聞いてるみたいだ。

モチベの話になる。

この教室に通う生徒の中に、自分から進んでではなく親から習わされてる子がいるらしい。だから全然やる気がないらしいが、その子が珍しく「この楽譜の一番最後の曲やりたい」と言ってきたので「お、やる気出したかな」と先生は思ったのだが、どうやら違うらしい。その子の親が、この楽譜最後までやり終えたらピアノ教室やめてもいいと言ってたからだそうだ。

一方で、大人になってから通い始めた生徒さんも何人かいる。年代も様々で、40代、50代、60代、70代もいる。親から習わされててなかなか持続しない子ども(もちろんやる気のある子どももたくさんいる)に対して、大人から習い始めた生徒さんはやる気のある人が多く、それこそ何年も通い続けている人も中にはいる。過去に何かに夢中になって取り組んだことがある人が多いらしい。この歳になって、また何か新しいことに挑戦してみたい、夢中になれることに取り組みたいということみたい。その楽しさを知っている人たちだ。それに、できなくても練習を重ねればできるようになるということも知っているから継続する。

でも大人は忙しくてなかなか練習する時間が取れないし、歳をとってくると体も若い時と比べてなかなか思うように動かない。

大人から習い始めた生徒さんたちがたびたび口にするのが、「もっと小さいうちから始めていればよかった」という後悔の言葉だ。

そういうことがあるから親は子どもに小さいうちから習い事をさせたがる。何が合うかはやってみなきゃわからないということで自分の子に何個も習い事やレッスンに通わせたりする。でもそういう子に限って、ちょっと挫折するとすぐ「やめたい」と言い出すらしい。

子どもは、最初できなくても練習を重ねれば少しずつできるようになるという経験が少ない。何かに夢中になって取り組むことの楽しさをまだ知らなかったりする。だからちょっとうまくいかないともうおもしろくないんだろうか。

おれも小さいうちからピアノやってればよかったーと思うことがたまにあったけど、そんなこともないなって先生の話聞いて思った。

そう考えると今ピアノを習い始めることができたのはラッキー。まだ若いから頭も体も動く。

何かやりたいと思うことがあったら後回しにせずすぐに実行しなくちゃなと思った。おじさんになってから始めて、「あーなかなか上手くならない」なんてなるのは非効率で嫌だ。時間の自由度が高くてまだまだ体が動く若いうちにやるのが一番効率のいい時間の使い方だな。

とか偉そうなこと言ってるけど、発表会が終わって少しだけ燃え尽き気味になってしまい、ちょっと練習サボり気味になっていた。先生はプロだからそういうのに敏感に気づく。それが冒頭の先生の質問に繋がるわけだけど、先生にモチベの話をさせてしまって本当におれは情けないなと思った。

本来ピアノの練習は地道なもので、ハノンやバイエルなどの教則本の曲をコツコツやっていく、みたいなのが初心者のやるべきことだ。

でも先生はそれだけじゃなく、「楽しい曲もやろうね」って言って少しでもおれの好きな曲の練習の時間も作ってくれる。

先生は、モチベが続かなくて挫折した生徒を過去に何度も見てきたんだろう。先生はピアノのプロだ。ピアノが好きだ。「自分の好きなもの」でほかの人が楽しめずに挫折する姿を見るのは辛いだろうな。

よし、なんかピアノ弾きたくなってきた。

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