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まほうのせかいへようこそ

保育園に向かう車の中で。

「ねえママ、まほう使えるんだよ」

いつものことだけど、唐突に娘が言った。

「え、まほうかー。
そうだねー、生きてるって、全部まほうだね」

ふたりで、思いつくかぎりの、まほうを言ってみた。

夜眠れること

朝起きること

おなかが空くこと

ご飯が食べられること

うんちがでること

ガハハと彼女が笑う。

ものを食べたら必要なものは力になってくれて、いらないものは出てくれる。

考えてみたらすごいことだ。

そう、そうやって、声を出して笑うことも、目から涙がでてくることも、

呼吸だって、なんというまほうだろう!

「そうだよ、ねえママ、かみさまってすごいんだね、まほう使えるんだよ」

いつも、お気に入りの先生がいないと、泣き出して保育園イヤだとしがみつく彼女が、今朝は穏やかな笑顔で手を振ってくれた。

なんか、いい会話ができたな。

人の気持ちや行動や考えや。いろんなことを、わかろうわかろうと、躍起になって眉間にしわ寄せ過ぎて生きて来ちゃったけど、

もっとまほうに身をゆだねてみよう。

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