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土と糸、ものを創ること




2023,06,22

u.fu アクセサリーの販売再開しました
(と同時に、左手大火傷。笑)
(現在、製作お休み中です。泣)


糸と土と植物。

長女が生まれてから10数年続けてきた製作をばっさりやめて、2年間お休みしていたわけについて書いてみようかなと思います。



いちばんは「素材への葛藤」


わたしの作るアクセサリーは
『イーネオヤ』というトルコの伝統手芸の手法を
使っていて、古くは絹糸や馬の毛なども使われてそうだけど、近年はほとんどナイロンやポリエステルの糸が主流
(現在はナイロン製はほとんどが生産中止になっているそう)


このイーネオヤに出会ったのが
今から14〜15年前

針と糸一本から紡ぎ出される可憐なお花たちに心奪われて、まだ赤ちゃんだった長女のお昼寝中にひたすら独学で練習して身につけました

イーネオヤでつくった初めてのオリジナルの花
(ハイビスカスのピアス)


もともと編み物や刺繍も大好きで
というより、糸が好きだったのかな笑
糸を見つけては買い、たくさんの糸たちがわが家に溢れておりました


糸をぎゅっと結ぶ作業をくり返すイーネオヤ

未熟なわたしには、手持ちの綿や麻などの柔らかい糸ではカタチをつくるのが難しく、トルコからナイロンの糸を取り寄せたり、人から譲ってもらったりしていました

(今は上達して、綿や麻糸でも作れるように)

時が流れ

沖縄へ移住して畑仕事を手伝っていた頃
大地のうえで植物たちと触れあうなかで
人間と自然との関わり合いについて
感じることがたくさんでてきたりして、心が追いつかなくなっていた時期がありました


手を動かして花たちをつくる作業はわたしを癒してくれたけど

その花たちをつくるための糸

合成繊維でできた糸や化学染料で染めあげられた糸たちに、心がモヤモヤしてしまうようになっていたのです


「こうして作っている子たち、土に還るにはリスクが高すぎるのでは…」


モヤモヤがだんだん大きくなって
花や草を眺めては、
「このかわいい子たちを、どうやったらカタチにできるかな♡」
とワクワクしていた気持ちもどこかへいってしまい

だんだんつくることから遠ざかるようになりました

それなら、

「植物から作られた繊維で
 植物によって染められた糸でつくろう!」


そうなると今度は、

「じゃあ金具は?
 土に還る金具ってできるのかな?」


お得意のひとり脳内迷走状態へ…


まずは、と、オーガニックの綿糸を取り寄せ
草木染めをやっている友達に何色か染めてもらい、花たちをつくってみる

草木染めの柔らかな仕上がりは、結ぶ作業を繰り返すイーネオヤにはあまり向いていないことを実感

つくっている工程で色が抜けていってしまうんですね

それはそれで草木染めならではの味とも言えるのだけど、作品として納得のいくものをつくることができず

その糸で、あまり負荷がかからないタッセルピアスをつくったりしていました

ただ、そのために新しく糸を買ったりパーツを揃えたり、結局またモノを増やしているという現実に矛盾を感じるようになってしまい、またまた脳内迷走状態へ

そして、手が止まる。

我ながらめんどくさい性格だな〜と笑っちゃう。笑

いったん辞めよう。

2021年

ちょうどその頃、内面世界への探究をたのしんでいた時期で、西洋占星術に出会い星の世界にのめり込んでいったということもあり

アクセサリーを取扱ってくれていたお店にも、ごめんなさい。と伝え、アクセサリーづくりからは一旦手を引く選択をしました。




星の視点で世界を捉える

星読みを学んでいく中で

宇宙には、善や悪、良い悪い、優れている劣っている、という概念はない。ということをようやく理解できるようになっていきました

ただ、そうで在る。ということだけ

そして、抗いようのない大きなエネルギーが少なからずわたしたち一人一人に、社会全体に影響を与えていて、人間もその中で時に流されるままにひっぱられるように、生かされている存在なんだという、宇宙の仕組みに触れ

「善や悪」「良い悪い」
というのは、人間が勝手に目の前のモノコトに、これまで積み重ねられてきた社会や大人たち(は、そのまた大人たちから)の価値観から、そこに自分の思考や感情をのせて判断しているに過ぎなくて

わたしが苦しくなっていたのも
勝手に自分の中にある「良いこと、悪いこと」の基準を土や植物たちを通して、見せられていたからなんじゃないかと思ったのです

そうして星の視点を通して、じぶんの内側の世界を広げ、外側の世界にも目を向けられるようになっていった先に

ワクワクきらきらして集めたはずなのに
見るのも嫌になってしまっていた糸たちにも意識が向きはじめました

わが家のナイロン製のオヤ糸たち


「そろそろなんとかしてあげないと」
「全部売ってしまおうか…」

売ってしまってもよかったのかもしれないけれど、なんだか吹っ切れないのは「つくりたい」気持ちがわたしの中にまだあったからということと

自分で集めたもの糸たちへ責任をもって
じぶんの手で作品として昇華させたい
という思いがあったから

土に還るには、綿や麻糸に比べて何倍もの時間がかかる
土にも負担がかかるかもしれない

新しく素材を集めて
「地球にやさしいアクセサリー」
をつくるのも素敵かもしれない

だけど、今、目の前にあるものを使って、作品を創ること。
そのことの方が今のわたしはわくわくと喜びを感じる。

そうやって、心の整理がついたことで
どんな素材でもひとつひとつに愛情と喜びをもって向き合うことができるようになりました。

道端でであう植物をみて
どんなカタチにできるかな♡

というワクワクも戻ってきた

ナイロンの糸は綿の10倍の強さがあるから、カタチもしっかりしたものができる
光沢があって、少し「よそゆき感」もだせる

綿や麻の糸は柔らかく、生活や肌になじむような優しい仕上がりになる

化学染料で染められた糸は、何度結ぶ作業を繰り返しても色が抜けることなく沖縄の花や果実の色鮮やかさを表現してくれる

人と同じように
どんなものにもそれぞれの持ち味があって
どれも結局は人間がつくり出したもの

要は、わたしの心持ちひとつ

そのことを、しっかりと落とし込めたことで
また愛しき花や果実をつくる喜びを取り戻せるようになり、アクセサリーづくりを再開することを決心できたのです。




アクセサリーづくりをお休みしていたわけ。
またはじめたわけ。

誰が興味あるんだい?

わたしが書きたかったんです。笑


最後まで読んでくださった方!
長かったでしょう。笑

人によっては取るに足らないようなことかもしれないけど、わたしの中ではずっとモヤっと心に溜まっていたこと。
ようやく吐き出すことができて、すっきりと進むことができそうです。

火傷を負って、時間ができたことでゆっくり整理しながら書く時間ができて、こらもまた必要なことだったのね、と思える。

また、占星術の視点からのお話も書きたくなっちゃったので、それはまたいつか。

最後まで読んでくださったあなた、ありがとうございました!

ナイロンのオヤ糸でつくったブーゲンビリアのピアス


火傷の回復も順調で、1ヶ月以内には製作再開できそうです♪

Instagram DMよりオーダー受付中でございますので、お気軽にお問合せくださいね。

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