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#セブ島 語学留学❗️Day7のつづき❗️

学校の正門からジプニーで出かけ、まずは腹ごしらえと言う事で食事のできる場所を探した。男3人だから”お腹が満たされれば何でもいいよ!”って適当に入った店が何故(なぜ)か⁉️インド料理の店だった。 Why⁉️  オレは、ナンにカレーを2、3種類とチキンを食べたと思う。

インド料理店からタクシーを捕まえて繁華街へと向かうことにした。タクシーの運転手さんに『セブ島で有名な繁華街はどこかなぁ?』って聞くと『そりゃ〜もちろんCebu City (セブシティ)だよ!』って答えが返ってきたんだけど・・・タクシーが向かった先はMandaue City(マンダウエ・シティ)だった。

『あれれぇ〜!セブシティじゃないのぉー!」どうやらオレたちが、セブ島の夜の繁華街が初めてだと言うことで・・急遽、行き先を変更して・・タクシーの運転手さんがお勧めする、とっておきの店に連れてきてくれたということのようだ。タネを明かせば、なんてことはなかった。紹介料としてタクシーの運転手さんは店の入り口でチップを受け取っていた。貞(てい)のいい呼び込みと一緒じゃねえか!と、憤(いきどお)りたい気持ちも萎(な)えてしまいそうな程、ド派手な店の看板にはデカデカと”Ferrari(フェラーリ)”と書かれていた。えっ!フェラーリ! 何でも・・セブ島にきた観光客を地元ぐるみで真っ先に案内するのが、ここ” フェラーリ”なんだとか。

夜の繁華街でネオンギラギラな店はピンからキリまであるのは、セブ島に限ったことではないと思うが・・世界をグルリと一周して、その国々の夜の繁華街を見て回ってきたテツさんが言うには・・『こういうピンクな店は、10軒ぐらい入ってみて2〜3軒当たりが出れば良い方!』なんだそうだ。ココはどうなんだろうか?

入り口を入ってまず驚いたのが・・・亜熱帯特有のまとわりつくベッターっとした湿気を帯びた空気と、夜の女の子たちから放たれている甘ったるいパフュームが混ざり合った独特な香りがとても強烈なことだった。それだけで頭がクラクラしてきそうだった。

”Go Go Bar(ゴーゴーバー)”と呼ばれている店らしく、ショータイムが始まると女の子たちが代わる代わるステージで華麗なダンスを披露してくれるそうだ。

ママさんと呼ばれていた、男性なのか⁉︎ 女性なのか⁉︎ よくわからない人が席に案内してくれた。座席はステージをグルリと囲むように、ステージ側に向いて配列されていて、ショーを最大限に楽しめるようになっていた。男性なのか⁉︎ 女性なのか⁉︎ わからないママさんといったが、決して差別している訳ではなくて・・セブ島には ”レディ・ボーイ” と呼ばれる、女子力が異常に高い男性が多く・・夜の街だけではなく、一般社会の中でも普通に溶け込んでいる姿を、セブ島滞在中にあちらこちらで見かけることがあった。男女の差別をなくす”ジェンダー”に関してセブ島は日本よりかなり先進的なのではないだろうか?とさえ感じた。

そんなことを考えているうちに・・・女の子たちがズラッと一列に並んで”顔見せ”というのが始まった。始まったというかズラっと並んだ女の子の中から、自分の席に着いてくれる子を1人選ぶということなのだが! 率直に言って・・みんなスンゲェー綺麗(キレイ)だった。キレイにも色々あるんだろうけど・・妖艶(ようえん)!な子もいれば・・艶(なまめ)かしい子もいるし・・・みんなそれぞれ不思議な魅力で溢(あふ)れていた。飛びっきり艶かしい色気を放っていたのは・・多分、レディー・ボーイだろうと思われる女性だった。思わず背筋がゾゾゾってなるぐらいの物凄い色気だったような気がする。危うく吸い込まれそうになる瞳から視線を逸(そ)らして、選んだ女の子は、少しポッチャリ系の子だった。名前は”ナミ”と言っていた。

ステージ上を照らす鮮やかな照明以外は、極力、明るさを落とし薄暗い店内のあちこちの座席には、まばらではあるが何組かのお客さんが既(すで)にいるようだった。オレたち3人は、ステージが始まる時間の随分前に入店してしまったみたいだった。ママさんとの料金を含む交渉は、すべてテツさんがやってくれて、オレとリョウくんは案内されたフワッフワッのソファにちょこんと座って事の成り行きを待っているだけだった。そこへ料金交渉の終わったテツさんが戻ってきたと思ったら・・先程の女の子たちがズラっと一列に並んでの顔見せが始まったという訳なのだ。

”ナミ”という名前を聞くと・・真っ先に"One Piece(ワンピース)"というアニメのキャラクターの女の子を思い出してしまうのはオレだけだろうか?オレについてくれた”ナミ”という女性は、ちょっとポッチャリとしていたけど、とても明るく気の利く女の子だった。オレが語学留学している生徒だよ!って話しをしたら『英語はしっかり勉強しておきなさい。私は初めの頃は英語が分からなくて色んな人に騙(だま)されて辛い経験をしたから・・』と、学校の先生と同じことを忠告してくれた。母国語の日本語だけで、生活のすべてが成り立っている日本の中だけにいると感じることはないが・・ここ、セブ島でお金を稼いでいこうと思ったら、どうしても英語の壁をクリアしていかないと生活が成り立たない。”セブ島内の雇用の大半は外国人観光客を相手にしたビジネスで成り立っている”という現状を生々しく突き付けられたようだった。この日、フェラーリで働いていた女の子たちの背景は、まったくもって解らないが・・少なくとも英語を猛勉強してきたからこそ、今ここでこうして働いている訳だから、それだけでもリスペクトもんだよね!

その内にアップテンポの音楽が大音量で鳴り出した。店内にある大型のスピーカーもドンドン!と重低音まじりの音を、店内の隅積みまで届けぇー!とばかりにガンガンに鳴り響かせていた。

いよいよお待ちかね!ショータイムの時間だぁー!

ステージの袖(そで)から怪しげな色気をムンムン漂(ただよ)わせながら・・1人目のダンサーが登場すると店内のボルテージは一気に盛り上がった。1人が出てきてはダンスを披露して退場し、曲が変わって次のダンサーが出てきてダンスを披露して・・・という風に続いていった。ステージの上で艶(なまめ)かしく踊っている女の子たちは、ロングドレスを身に纏(まと)い、着席してお客さんと会話していた時とは、まったくの別人のようだった。

『身体もポッチャリしちゃって・・昔ほど動けないからあんまり見ないでね!』と照れながら話していたナミが・・今、ステージ上で踊っている。人の身体って、あんなに”しなやか”に力強く・・それでいてあんなに艶(なまめ)かしくクネェ〜って動くなんて・・・まるで一つのアート作品を鑑賞しているようだった。ナミがステージを退場してから、しばらく拍手が鳴り止まなかった。

店内は、ムーディーなスローテンポの曲に変わって照明もギリギリまで落とされた。さっきまでの喧騒(けんそう)が嘘のような静けさだった。

ダンサーの女の子たちがロングドレスに着替えてそれぞれのお客さんの所に着席している。ナミも戻ってきた。ナミは自分からはダンスのことは何も言わなかったので別な話題で少し話しをした。そうこうしている内に・・しばらく姿の見えなかったテツさんが渋い顔で席に戻ってきた。『高い!』第一声がそれだった。オレもりょうくんもテツさんにお金を払って精算は完了した。

まだ、オレは心がザワザワして感動していた。さっきのステージでのみんなのダンスに痺(しび)れ切っていた。ダンスを見て、こんなに感動したのは・・日本で劇団四季のライオンキングを観て以来だった。

これだけの感動を与えてくれたことに対して何かお礼がしたい!相手が一番喜びそうな事で現実的なもの! オレはかなり奮発したチップをナミとママさんに渡した。2人は飛び上がりながら喜んでくれた。ママさんは『私にもくれるのぉ〜!』と驚いていたけど・・ナミには帰り際にホッペにチューされっちゃったし・・・オレはデレデレしながら店を後(あと)にした。

セブ島での初めてのピンクな体験は終わった。入店した時のギラギラしたネオンにも目が慣れてしまったせいなのか・・外はだいぶ暗く感じた。時計を見れば23時50分!ヤバイ!急いで戻らないとペナルティーだぁー!




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