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東京オリンピック勝手に言わせていただきます。13年ぶりに帰ってきた女子ソフトボール‼️

7月23日の開幕式よりも早くに始まっていた女子ソフトボール。開会セレモニーの時にテレビ画面に映し出された ”目の覚めるような青空とグリーンの芝生” が何とも言えず眩しかった。国際大会で使われるぐらいにキチンと整備されたこの球場って一体どこ⁉️・・福島県にある ”福島県営あづま球場” だということが解説者の説明で分かった。東京オリンピックの為に新しく建てた球場なのかな⁉︎って思って調べたら・・その歴史は意外と古く、1986年9月に開場している。今までにもプロ野球公式戦で52試合に使われていて ”知る人ぞ知る” 野球場だったのだ。

ここ ”福島県営あづま球場” から予選が始まり、決勝の舞台 ”横浜スタジアム” へと熱戦が繰り広げられていくことになるんだね。

日本の初戦の相手は、オーストラリアだった。

13年ぶりのオリンピックでの投球に、先発したベテラン上野もフォアボール(四球)が続きピンチを広げてしまい先制点を許してしまう場面もあったが・・その後のピッチングは奪三振の山だった。オーストラリア打線をピシャリと封じ込めたナイスピッチング!

5回表、オーストラリア1番コックスをフォアボールで進塁させると、ピッチャー上野を下げて・・サウスポー後藤をマウンドに送った。この後藤の投げっぷりが良い!怖いもんなし!って感じ。侍ジャパンで好リリーフを続けていた日ハムの伊藤大海を彷彿とさせるようだった。(ロージンの粉を大量にバフッバフッする人)

オリンピックの初陣で、さすがに緊張したのか・・デッドボール(死球)フォアボール(四球)と続き2アウト満塁の大ピンチを迎えた後藤だった。いきなりのピンチも後藤には”屁のカッパ”だったかどうかは知らないが、5番フォーキンを見逃し三振で切って取るあたりが大物感を漂(ただよ)わせていた。

結局、この試合は日本打線が火を吹いて7回を待たずに8−1(5回コールド)で勝利した。

2戦目の相手はメキシコ!メキシコ代表は、アメリカ代表には一歩及ばない選手が国籍変更でメンバーに加わるケースもあるので油断ならない相手である。

日本の先発は上野。メキシコはオトゥール。

2回に6番バッター藤田のホームランで先制すると、6回メキシコも7番ウルテスがソロホームランで透かさず同点に追いつく。日本も我妻のタイムリーで2−1として点差を広げようとするんだけど・・7回には上野が捕まり、ついに・・2−2と同点にされてしまった。連日、37度近い気温が続き、連投の疲れもある上野を下げて昨日のオーストラリア戦に続き、後藤がマウンドへ

ノーアウト1・2塁にランナーがいて、こんなに楽しそうに投げられるかよ!ってくらいにマウンド上の後藤は太々(ふてぶて)しい笑顔だった。そして、そのピッチングが凄かった!

8番サンチェス キャッチャーフライ                    9番フォルベスにはズバッと直球! 見逃し三振! フォルベス苦笑い!    1番ロメロギブソンにも直球勝負で空振り三振!

メキシコ打線も ”オー!ノー!彼女はダレ⁉︎” ってリアクションだった。

サヨナラ勝ちといきたい7回裏の日本は、あっさりと3人で攻撃終了!

大会規定によって無死2塁からのタイブレーク方式での試合再開となった。

8回表もピッチャー後藤が覚醒!ウィーン!!先頭バッターにバントヒットされて塁上には、ランナーふたりの大ピンチを迎(むか)えてもまったく後藤は動じなかった。メキシコのクリーンナップ3番、4番を直球で三振。5番バッターにフォアボールを与えランナー満塁と更にピンチは広がったけど・・ここでも後藤はまったく動じない。6番ビダレスにも直球を散々見せておいての最後、外角へのチェンジアップゥ〜!これは効いたぁ〜!見逃しのさんしぃーん

ソフトボールも野球と同様に”間を取り合うゲーム”なのだ。こういう目には見えない選手間の駆け引きを想像するのもソフトボール観戦の醍醐味だと思うね。

後藤の快投に応えたバッター陣は・・9番渥美のショートへのタイムリー内野安打でサヨナラ勝ちを決めた。これで2連勝!! 

次のイタリア戦からは、福島から横浜へ場所を移して行われた。東京オリンピックの為にリニューアルされた横浜スタジアム(通称 ハマスタ)だったが・・寂しいことに無観客での開催となった。が・・スタジアム内では熱い戦いが繰り広げられていたようだった。

イタリアの女子ソフトボールチームって聞くと・・ん⁉︎ って思ってしまうけど・・ヨーロッパ選手権では敵なしの強豪国なのである。アメリカの情報は、すぐにでも入ってくるけど・・遠く離れたヨーロッパの情報は、ほとんど入ってこないからね。

試合開始は19時30分。7月だと西の空がまだオレンジ色に輝いていて、ブルー一色のオリンピックカラーに彩られたハマスタは最高にカッコ良かったよ。(テレビだけどね。)

イタリア戦の日本の先発は・・左の後藤と思わせといて、右の藤田。このへんから相手チームとの駆け引きが始まっているってことだね。

先発の藤田は ”打って良し!” ”投げて良し!” の二刀流選手なのだ。その藤田も3回にツーベースヒットを打たれてノーアウト二塁となったところで交代。勿論・・・後藤だぁー!4回裏には・・3番カロゾネ、4番ピアンカステリ、5番ロンギの3人を連続三振に切ってとるなど圧巻のピッチングを見せた。ヨーロッパ選手権覇者のクリーンナップを連続三振だからね。脱帽ですよ!

変わった藤田は今度はバッティングでチームに貢献。オーストラリア戦、メキシコ戦に続く三試合連続ホームラン5−0 これが決勝点となってイタリアに快勝した強いぞジャパン!

つづく相手は・・世界ランキング3位のカナダ。(参考までに・・1位アメリカ2位ジャパンとなっております)上位ランキング同士の対戦は、負けずとも劣らない投手戦の様相となった。カナダチームは、ローリー、グローネウェゲン、ケーラの3投手を巧みに使い日本打線に点を許さない。日本は、エース上野が先発。2回には相手バッターのバットをへし折るようなナイスボールを投げて6回まで無失点の好投。(ソフトボールのバットって・・へし折れるんかい⁉︎)7回表には、後藤がマウンドに上がり・・5番ソーリング、6番ポリドリ、7番グローネウェゲンを三者連続三振。すげ〜ぞ!ゴトー!

7回裏、ジャパンは二死満塁でサヨナラのチャンスが巡ってきたが生かせず・・試合はタイブレーク方式の延長戦へと入っていった。

8回表も後藤の快投は続き8番エンツミンガー、9番ギルバート、1番ヘーワードを連続三振!7回表の三振から、な、なんと・・6者連続奪三振!! 圧巻!!

後藤の頑張りに何が何でも応えたいバッター陣は、4番山本から・・その山本が送りバント一死三塁。ここは何がなんでも1点取りにいく手堅い攻撃で攻めていくJAPAN。続く5番藤田、6番山本を故意死球で歩かせて一死満塁。ここは7番キャプテン山田と勝負する気満々のダニエル・ローリー

ローリー渾身の一球を投げたぁー!カッキーン!山田の打った打球はセンター前へコロコロ・・日本サヨナラ勝ちぃー!この瞬間、身体中の血が逆流したよ。それぐらい緊張感があった良い試合だったなぁ。

予選ラウンド最後の試合の相手は・・もちろんアメリカ!USA!

ここまでお互いに負け知らず。この試合に勝っても負けても明日の試合では再びアメリカ戦ということになる。金メダル決定戦の前哨戦ともいえる大事な今日の一戦は、日本の先発は藤田(明日に備えて上野を温存する作戦だね)アメリカの先発はアリソン・カルダ。アメリカには、ベテランのオスターマンと日本リーグでプレーするモニカ・アボットというピッチャーが控えているからね。明日に決勝戦を控えているということもあって両チーム共にややオーダーを変えてきた感じはあった。

1回表のジャパンは、相手キャッチャーのパスボールで先取点を奪い、守っては先発の藤田が5回までアメリカ打線をピシャリ!ノーヒットピッチングを続けた。

しかし、アメリカ打線もこのまま終わるわけにはいかない。6回裏に牙を剥き出し藤田に襲いかかる。ガォー! 2死一、三塁で4番アリオトにレフト前ヒットを打たれ1−1の同点とされ、5番アギュラーをフォアボール(四球)で塁に出し2死満塁。一打逆転の大ピンチ!6番スポールディングの打った打球は・・あわやホームランかぁ⁉︎と思われたフェンスギリギリのライトフライ!スリーアウトォー! ふぅ〜!心臓に悪いゼェ〜!

何としても追加点の欲しい日本!ジャパァーン!打線だったけど・・6回表にはオスターマンとリエントリーしたカルダにピシャリ!と抑えられ攻撃の糸口すら掴めなかった。7回表には、つ、ついに・・モニカ・アボットがぁ〜登場!日本リーグで活躍しているアボットは、日本人バッターを熟知しているので要所要所にナイスなボールを投げては、三振とピッチャーゴロ2つに抑えた。敵ながらあっぱれ!その裏(7回裏)試合は意外にもあっけなく終わってしまった。一人目のバッター7番スチュアートがライトへサヨナラホームランを放ち2−1でゲームセット。何とも締まりのない試合終了だった。明日は遂に決勝戦!歴史的な日になることは間違いないだろう。

7月27日 女子ソフトボール決勝戦 日本vsアメリカ

13年前(2008年)の北京オリンピックでは、日本にオリンピック4連覇を阻まれたアメリカ。(北京で日本に負けるまでのアメリカはオリンピック22連勝中だったってんだから・・どんだけ強かったのアメリカは?)1996年アトランタで、女子ソフトボールが正式種目となってすぐの金メダルから、2000年シドニー、2004年アテネと、オリンピック3大会連続で金メダルを獲得している強豪国。直近の2018年ソフトボール世界大会の決勝では、アメリカが日本を下しているだけに・・日本は、2008年北京での金メダルが ”まぐれ” ではなかったことを証明する為にも、この試合、絶対に勝たなければならない!

決勝戦の先発は、日本がエース上野。アメリカがオスターマン(オスターマンも13年ぶりに復活!)

1回表、日本打線をヒット一本を含む3人で終わらせて、好調な滑り出しのオスターマンとは対照的に・・1回裏から上野はピンチを迎えた。1番マクレニー内野ゴロのあと、2番リードにセンターへいきなりのスリーベースを打たれてしまう。続くバッターは3番チデスター!ここで日本に不思議なことが起こった。チデスターへの投球がキャッチャー我妻の後ろへそれる間に、3塁走者のリードがホームへ滑り込んできたのだが(当然1点を争う試合なので隙あればランナーはホームを狙う)逸(そ)れたボールは後ろの壁に当たってキャッチャー我妻のミットへスポッ!それをすかさずベースカバーに入った上野へトスしてホームタッチアウトォー!えぇー!日本の神がかったプレーにアメリカチームも唖然!その後も、4番アリオトに2回もワイルドピッチをしてしまいランナーが進塁し2死三塁。何とかアリオトを空振り三振に仕留めて3アウト。初回、バッタバッタな上野のピッチングだったけど点が入らなかったのが不思議なぐらいだった。やっぱり上野は持ってる?

その後、試合は硬直状態だった。動いたのは4回表。5番藤田のセンター前ヒットを皮切りにチャンスを広げ、2アウト1塁3塁。9番バッター渥美の叩きつけた打球はボテボテのセカンドゴロだったが・・渥美は1塁へ豪快にヘッドスライディング!セーフ!そして3塁ランナー藤田が帰ってジャパン待望の先取点1−0

絶対に追いついておきたいアメリカの4回裏の攻撃は・・2番リードからの好打順だったが・・リードがライトフライ。3番チデスターはサードフライ。4番アリオトもファーストゴロと何とも精彩に欠いた攻撃だった。

アメリカとは対照的に、5回表の日本の攻撃は、少ないチャンスを確実にものにして追加点を挙げた。2アウトの後、4番山本がセンター前ヒットを打って2死1塁ここでアメリカチームはピッチャーを、カルダからモニカ・アボットへ交代した。バッターは5番藤田。日本リーグでの対戦経験がある両者はこの時、頭の中では相当な駆け引きが行われていたに違いない。甘いボールは一発ホームランになりかねない。振りかぶってアボット投げたぁー!あぁー!ボールをキャッチャーが後逸。ワイルドピッチでランナー山本が進塁。2死2塁。気を取り直して・・振りかぶってアボット投げたぁー!カッキーン!藤田の当たりはライトへのタイムリーヒットだぁー・・・ジャパンに待望の追加点が入り2−0 さあアメリカチーム苦しくなってきたぞぉー!

5回裏もアメリカ打線は上野にピシャリと抑えられ反撃の糸口すら掴(つか)めないでいた。どうするアメリカチーム!!!

そんなアメリカチームにもやっとチャンスが巡ってきた。

6回裏、9番モールトリーがレフト前にヒットを放つと日本はすかさずピッチャー交代。上野から後藤へ。大ベテランから新人へ。後藤はここまで今大会4試合に登板して21個の三振を奪うなど、新人らしからぬ大活躍を見せていた。

続くバッター1番マクレニーを空振り三振 1死1塁             2番リードはセンター前ヒットで1死1塁、2塁               3番チデスターの打った強烈なサードライナーは三塁手山本の左腕に当たって、三遊間に大きく伸ばしたショート渥美のグラブにスポッ!えぇー!またぁー!ヒットを確信していた2塁ランナーのモールトリーは戻れずアウトォー!ダブルプレー!アウトになったランナーのモールトリーなんて ”えっ⁉︎一体いま何が起きたの?”って驚きの表情だった。チデスターは1回裏にも味方のチャンスを潰してしまったし・・後藤が持ってるのか⁉︎ それともチデスターがアンラッキーなのか⁉︎

7回表のジャパンの攻撃も、あわやホームランかぁ⁉︎って、きわどい当たりが飛び出しアメリカチームはヒャー!っとしたと思う。

いよいよ7回裏、アメリカ最後の攻撃。このまま後藤が続投で胴上げ投手は後藤かと思われたが・・やっぱり最後は上野がリエントリーで戻ってきたぁ。ピッチャー後藤から上野へ交代し最後のマウンドへと向かう。アメリカも4番アリオトからの好打順だったけど・・・上野のボールにまったく手が出ない。アリオトセンターフライで1アウト。5番アギュラーはファーストゴロで2アウト。最後のバッターになってしまうのか⁉︎ 6番スポールディングの打った打球は1塁側ベンチ前にふらふらっと上がった。キャッチャー我妻がキャッチしてスリーアウトォー!

この瞬間、宇津木ジャパンの2大会連続金メダル、13年越しのオリンピック連覇を成し遂げた。すごい戦いだった!アメリカと日本はやっぱ永遠のライバルなのだね。

表彰式でのみんなの笑顔は、すべてをやりきった感が全身から、ほとばしっていて、とっても爽やかだった。

オリンピック正式種目からは外れてしまってはいるけど・・女子ソフトボールは2028年ロサンゼルスオリンピックでは、追加種目になる可能性があるわけだから・・今後の選手の活躍も楽しみだよね。以上! 女子ソフトボール勝手に言わせてもらいました!でした。

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