コラム #環境対策(サーファー編)
地球温暖化対策やSDG'S(持続可能な開発目標)と言われるようになって久しいですが・・サーファーという人種は、とうの昔からそれらに取り組んできています。
取り組んできたという意識はまったくありません。ただ単に波乗りばかりして働かないからお金がないだけです。お金がなくてモノが買えないだけなんです。環境に負担をかけようがありません。
でも、欲しいと思いません。それは・・・
VANSとビーサンとビーチクルーザーがあるからです。
さすがにビーチクルーザーだけでは移動距離に限界がありますので、ここ数年はスクーターですが・・
さて、順番に説明していきましょう。
まずVANSです。なぜVANSなのか?
ズバリ!シンプルだからです。
世の中の多くのモノが付加価値によって成り立っていると思われる現状を考えると付加価値をまったく付けないVANSのモノ作りは実に潔(いさぎよ)いです。
VANSを代表するモノにスリップオン(SLIP ON)という靴があります。
紐(ひも)の付いていない靴です。スルッと履けてポォンと脱げます。実にシンプルです。
付加価値とは、読んで字の如く、付け加えた価値です。
何故!? 価値を付け加えないといけないのか?・・・
他との差別化を図る為だとは思いますが・・結果、環境に負荷をかけてしまっては本末転倒です。
次にビーサンです。
ゴムで作られていて、ゴムの鼻緒がついて夏に履くゴム草履のことです。
値段も手頃なものから高いものまでピンキリです。
値段が手頃で、夏しか履かないからといって使い捨てにしていないでしょうか?
ビーサンを自分の分身として育ててみるのはどうでしょうか?
革素材のものやジーンズに使われるデニム素材には育てるという言葉を使うことがよくありますが、ゴム素材のビーサンでも育てることができるものがあるんです。
それが、げんべい商店のビーサンです。
鼻緒とソールを天然ゴムで作られたビーサンは履けば履くほど足に馴染んできて、自分の足形にソールが減ってきてさらに履きやすく、愛着も湧いてくるという夢のような代物(しろもの)です。
サーファーのように真冬以外の3シーズンのほとんどでビーサンを履いているような使い方をしても2年はゆうに長持ちします。
モノを大事に使うこと。まさにSDG'Sです。
最後にビーチクルーザーです。要は自転車です。
今でこそ、前後輪にブレーキパッドやブレーキシューがついたタイプのものが主流になっているようですが・・アメリカ西海岸発祥のビーチクルーザーには、元々ブレーキレーバーというものは付いていません。ペダルを逆回しに回して止めるコースターブレーキというものが付いているだけでした。
安全基準や何やらで、今のような形になったとは思いますが・・・
近場の移動ならビーチクルーザーです。人力です。体力以外のコストゼロです。
CO2(二酸化炭素)なんて出しません。確かに長い時間自転車を漕(こ)いでいると、息切れして普段よりは多めに二酸化炭素は出しますが・・
スクーターも同様です。低コストです。何と言っても低燃費です。必要最小限のCO2しか出しません。付加価値が一切ありません。移動の為だけに作られた実にシンプルな乗り物です。
快適になればなるほど、何故か付加価値というのは増えていきます。車がいい例ですね。
自然から離れて、人工的な生活すればするほど付加価値というものが、すべてに置いて必要になってくるように思います。
それは他人と差別化を図らないとならないからですね。その差別化にはゴールというか終わりはありません。まさにアリ地獄ですね。どこまで行ってもこれで良しというものがないわけですから・・常に付加価値を付けて差別化を図り続けるしか選択がないわけです。
(それで心が安まり毎日を楽しめるならば何も言いませんが・・・)
おまけに振り返ってみれば、知らず知らずのうちに環境に負担をかけていたなんて・・
一方、自然の近くに身を置いて生活していると、付加価値というものがまったく必要ないことに気づきます。自然体でいられるってことですね。
付加価値を付けた生活とは違って、快適ではないかもしれませんが、不便なことも楽しめるぐらいに心は安らかでいられるんです。
何より、大自然を始め、世の中は実にシンプルにできているんだということに気づかせてもらえるんですね。
環境に多くの負担をかけてしまっているのが人間であるならば、その問題を正しい方向に解決できるのは、AI(人工知能)やコンピューターではなく人間であるはずです。実にシンプルですね。
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