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》》プリセプターとは

だいたい3年目くらいで看護研究とプリセプターの役目が回ってくる。
看護師というのは基本的に○年目で○○をするという暗黙の了解が絶えず付き纏う。
これがとてつもなく面倒くさい。(私は)

では今日はプリセプターという役目について考えていきたい。

1.初めての後輩育成

名前は大それているが初めて''人を育てる''という実感が湧いたのがプリセプターだった。
基本3年目から任命されるので初めての後輩育成になる。
凝り固まったプリセプターという概念に囚われがちになったり、指導するという優越感に浸って傲慢になる…言わば“イキリ期"に突入する同期もいた。

だが3年目でわざわざ指導をする人間に任命するには訳があると私は感じた。

2.なぜ若手の看護師なのか

まだ経験年数的には5年未満の看護師を抜擢する理由。
いくつかあるが1番は"新人と一緒になって更なる学習をし知識を深める"これではないかと感じる。
自分を振り返るいい機会であり、現状維持からの飛躍をさせたい。という期待があるのではないか。
そしてこれは人にもよると思うが"新人の気持ちをまだ忘れていない"からではないだろうか。
プリセプターは指導以外にも精神面でのフォローも必要とされる。
むしろその精神面のフォローが1番の鍵となる。
新人に寄り添えるプリセプターが新人をつづけさせるキーマンとなる。と私は考える。

・新人と共に更なる知識のupdate、brushup
・新人の精神面のフォロー。


まとめればこの2つだけだが、この2つがとっても大事なのだろう。

3.周りのスタッフの理解

しかしながら3年目のスタッフ。
責任追求となるとなかなか求めにくい。
もし、新人がプリセプターに聞いたことでプリセプターも気づかない事があればすり抜けてミスにつながる。
この事をスイスチーズモデルという。

……おいしそうなチーズである。

本題に戻るが。

これは英国の心理学者ジェームズ・リーズンが唱えた事故モデルである。

事故は単独で発生するのではなく複数の事象が連鎖して発生するとしたもの


通常、事故が想定される場合には、いくつかの防護壁を設けている。
しかし、いろいろな防護壁の穴をすり抜けて結果的に発生してしまう事象の事をスイスチーズモデルと表したのでしょう。

これが意外と新人とプリセプター間で起きやすい。
なぜなら新人がコミュ力だいぶ高めの自らたくさん発信するような人なら起きないが
意外と卒なくこなすタイプが重大なミスを起こすという例もある。
つまり周りの"この子はできるからそろそろ…"の雰囲気と新人の"これくらいなら大丈夫"がトリガーとなり起きる事案だと考える。

そのような子にどう介入していくのか。
その子達のプライドも傷つけず、私たちがどのようにセーフティになるのか。
それはやはり周りのスタッフも一丸となり全てをプリセプターに任せないという認識が必要になってくる。

プリセプターとプリセプティはセットであるが故に孤独にもなりやすい。
新人はまだ環境に馴染めず周りのスタッフともなかなか砕けた会話はできない。
そこを少し慣れたプリセプターが橋渡しとなって周囲に溶け込ませてあげる役割を担うのも役目の1つだと感じる。

プリセプターがいなくても新人が誰かには聞きやすい環境を作る。
さりげない一言から仕事の不安まで。
そうする事で周りのスタッフの理解も得られるのではないだろうか。

4.挫けそうになる時もある

プリセプターにも看護師の数だけ色々なプリセプターがいるだろう。
・厳しい人
・フォローに徹する人
・プリセプティを他の人から守る人
・無関心の人
色々いて当たり前なのだがその中で1番気をつけてなければいけないのが
"責任感からの重圧でプリセプターが潰れる"事である

だいたいその傾向にあるのは当たり前だが新人に寄り添うタイプのプリセプターである。
守ろうとするがあまり自分が新人と上司の間に板挟みになり「ダメなプリセプターだ」と思うことから始まる。

「指導をすべきなのはわかっているが、新人が上司から責められていると私の指導がダメだったから…と考えてしまって、指導する事が怖い。」

これは私がリアルに後輩から聞いた言葉である。
その後その後輩はプリセプター業務を降り別の人がプリセプターに就いた。

今では笑い話しだが、当時は相当思い詰め新人以上に表情が暗かったのを覚えている。

そうなればやはり新人とプリセプター間で歪みが生じ、関係良好だった間柄がいとも簡単に崩れていく。
そこをフォローしてくれる上司は正直看護師の世界にはいないといっても過言では無いと思う。

基本、そういうところは新人教育の基盤がしっかりしていない所が多いのだが…
これを読んでいる管理職の方がもしおられるのであれば今一度、病院の新人教育のプランが本当にしっかりした物なのか考えてみてほしい。

基盤がしっかりしていない上にしっかりとした建物は立たないのである。

プリセプターも人間。
挫けそうになる時が無い方がおかしい。
今まで関わったことのない20そこそこの成人をいちから看護師として育てるのだ。
悩み、笑い、時に泣き…それは正しい感情であり、しっかり新人に向き合っている証拠である。
挫けてもそれは正しい反応だよ。とここで伝えたい。

5.最後に

プリセプターの役目は要点だけ掻い摘めば意外と少ない。
だがその少ない役目が1番重要で忘れてはいけない事だと感じる。
悲しいかな看護師の世界は一言で言えば厳しい。
何が厳しいのか。
それは看護師だけの世界ではないかもしれないが、とりあえず人間関係がすこぶる難しく厳しい。
女特有の物からスポーツ系の上下関係、様々であるがとりあえず年功序列であり歳ではなく看護師としての経験年数が幅を効かせる。

近年は社会人入試もあり、新人とはいえ20代後半から再度看護師を目指し免許を取得される方も多い。
その中で自分よりもはるかに年下の看護師から指導される事もある。

自分より年下のプリセプターに指導されるなんて事もあるのだ。
また自分より年上の新人もいる。
その中で人間関係を円滑に築き、誰ひとりせっかく取得した免許をただの紙切れにすることなく互いに切磋琢磨し看護師人生を歩んでほしい。

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