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鼻づまりの原因は鼻中隔湾曲症③入院

入院初日ともなると大病院のイメージや手続きにも慣れていた。
しかし、相変わらず丁寧な説明を各場所や担当で行ってくれるので、頭がパンクしそうになる。話半分くらいで聞いていれば良いのか。マークシート方式のテストならギリ70点くらいは取れそうな気がする。
でも名前と顔の選択問題は10点も取れそうもない。顔も名前も覚えるのは苦手なほうだ。
そんなことを考えていると、説明が終わり、何らかの署名を求められる。

リスクを全て飲み込めるか、と言えばそうとは言い切れないが、サインをしなければ先へと進まない。大きな決断をしているはずだが、自分の名前を書くという意識もせずにできる簡単な作業で、全てに同意した。

こうやっていつかは詐欺にあったりするんだろうなと思いつつも、ここは病院でよかったとあまり頭を働かせずに次の診察やらを受けている。

担当の看護師から入院のスケジュールの説明を受け、確認していく。クリニカルパスというらしい。計画に沿って入院や手術、経過観察を行なっていくらしい。

説明を終え、重要かつ主要な項目を把握できた。
だが、「入院生活」についてあまり触れられることはなく、売店や自販機、トイレ洗面所の利用、移動や就寝時間までの行動などは分からなかった。
普通の大人の患者はなんとなく理解してそれなりに自由に行動するものなのだろうか。自分は旅のしおりのような、時間単位の行動予定を教えて欲しかった。

案の定、病室に案内され、落ち着いたところで、何もやることがなくボーッとするしかなかった。
こんな呑気なことを考えていられるのも手術前だけかもしれない。

病室に入って自分の区画となるベットを見て、自分は病人として入院するのだなと実感が湧いた。

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