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しばれキャンプフェスティバル② ~ファミキャン編
チームワークは大事だよ
さて、キャンプにおいて早めのチェックインは大事だ。日没近くなってから何も見えない中テント設営したり焚き火台こしらえたりするのは初心者にはつらい。何事も計画性は大事だ。なお、我々は計画性など皆無だし道にも迷ったので着いたのは15時近かった。
日没まで一時間程度しかない。あわててテントを設営する。なお、こういう時に夫が手伝ってくれると思っていたのだが、
「テント引っ張りすぎじゃない。テンションかけすぎだよ」とか、
「グラウンドシート純正のやつ買えばよかったじゃん。なんでAmazonで安物買うの?次は純正買ってよ」
とか文句を言うだけであまり手伝ってくれない。ほかのテントサイトでは、みんなとうに設営を終えてチルってるのに私は説明書読みながらテント設営である。
腹が立ってきたので夫と息子氏に「スーパーで食料調達してきてよ!今日は芋煮カレーうどんだから材料買ってきて。牛肉と、野菜だよ。野菜は切るのめんどいから豚汁の元でいいよ!あと顆粒だし!」と指示を出しておいた。
材料がきたら、持ってきた飯盒で芋煮をつくろう。そのあとカレー粉とうどんをぶち込めば三人でお腹一杯になれるだろう。だいたい設営し終えたところで彼らが帰ってきた。
たしかに牛肉と豚汁の元と顆粒だしは買ってあった。ところが、里芋とうどんとカレー粉がない。「お母さんが準備してると思ってたし、指示されなかったから」だそうな。
ああ、いるよね。こういう言われたことしかやらない社員。で、**はやらなかったの?というと「ぽんこつさんの指示が曖昧だったからですぅ」とか言いやがるんだ。想像力がないんだからもう。
芋もないし、芋煮ですらない。これじゃ牛汁だ。
芋煮カレーうどん-里芋-カレー粉=牛汁?
飯盒で肉を炒めて、野菜とだしを入れて醤油をぶっこめば牛汁になるはずだが、焚き火の勢いがちっとも安定しない。いらいらしながら調理していると、夫と息子が焼き芋やらウィンナーやらスルメやら勝手にあぶって食べ始めた。しかも夫は私のパチノックスに王様のように腰掛けながら食ってた。石と丸太はどうした。
さすがに申し訳ないと思い始めたのか、夫はウィンナーを一本よこしてきたので食べてみたところ、見よ、それは驚くほどうまかった。既製品はうまい。
ようやく牛汁が煮えたが、正直あんまり感動しない味であった。息子氏も一応おいしいと言いながらも微妙な食べっぷりだった。そして、「ママ、カップラーメン食べたい」と主張してきた。
カップラーメンをつくるには牛汁を食べつくして飯盒を空にする必要がある。(別のクッカーはバックパックの奥底にあり取り出せない)
夫に「お父さん、牛汁全部片づけてくれない?」と言ったが、ウィンナーを食べているだけで牛汁が片付かない。一方で息子はついにカップラーメンという単語しか発しなくなった。カチンときて、
「だから!牛汁を片付けてくれっていってるでしょ!それ食べないとカップラーメンつくれないの!」と語気を強めたらようやく動きだした。そして飯盒でお湯を沸かしてカップラーメンを息子に与えたところ、一心不乱にラーメンを食べだした。母の手作りに既製品が勝った瞬間である。
寒さとうるささと妬ましさと
洗い物などして疲労感でいっぱいになっていたら消灯の時間になった。テントに引き揚げようということになったが、ここで一つ問題がある。テントは2人用で、3人用ではない。これ入りきるのか、と不安に思っていたが、まあなんとか三人入った。さすがモンベル製、ぽんこつ家族への対応もバッチリである。
夫も息子も疲れたのか、わりとすぐ寝始めたのだが、私はなぜか寒くて寝付けなかった。
なんかお隣のカップルが
「えーマジ!?うけるんだけど!!!」
「ギャハハハ」
みたいな感じで非常に盛り上がっておりうるさい。お隣は高級テントに薪ストーブでさぞかし快適なのだろう。
寒さと、うるささと妬ましさでなかなか寝付けず、私はお隣に対して夜更け過ぎまで呪詛の念(3byte)を送りながら過ごした。
朝食と椅子の奪い合い
結局、5回ぐらい寒くて起きはしたが、まあ一応なんとか寝れた。そして、お隣さんの早朝のバトニング(薪をナイフで割ること)のカァン!!カァン!!言う音で目が覚めた。早朝から寝袋で呪詛の念を唱えた。
夫が、「ママ、寒くなかった?」と言うので「…なんか底冷えがして寒かった、なんで?」と聞いたら「ママの寝ている場所だけ、3分の1ぐらいシュラフのマットが足りなかったんだよね~」と言い出した。
私は、ここで夫を殺してはいけない、と自分に言い聞かせた。
インスタントコーヒーをいれて、昨日道すがらかってきたおいしそうなパンを飯盒であっためて朝ごはんにした。ところがまた焚き火が安定せず、いい感じでパンがあったまらない。結局あったまるまえに夫と息子にパンを強奪されて食いつくされてしまった。あとインスタントコーヒーはパチノックスにどっかり座った夫によってだいたい飲まれてしまった。
「お父さんどいてくれない?それ私がAmazonで買った椅子なんだけど」と言ったところ、「闇にのまれしこの世界で結界の番人をしているので立てない」と厨二みたいなことを言い出して立とうとしない。ギャーギャー騒いでようやく席を空けてもらったがコーヒーはほぼ残ってなかった。
ファミリーキャンプは難易度高すぎる。と肩を落としていたら、そろそろ電車の時間が来たらしく息子氏と夫は上機嫌で自宅に帰っていった。
<③につづく>
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