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【設定資料】地区巡りのススメ

(ノアの蔵書の中で、この本はかなり雰囲気が浮いているようにも見える。この書籍が雑誌だからなのだろうか?)

【「地区」について】
 アンヒュームが住む地域のことを「地区」という。酷い差別を受けていた彼らが住んでいることを隠すため、地図に残るような名前をつけようとしなかった名残である。
「地区」という言葉だけで「アンヒュームが主に暮らしている場所」を意味する。
 最近では差別解消のために地区に名前をつける運動が広まっているが、それも魔力を持つ者たちの動きであるため、アンヒュームの大半は「今更」「アンヒューム文化による利益を奪いたいだけ」と冷笑している。
 特にアンヒューム文化を奪おうとする魔術師に対して彼らは非常に敏感である。魔力が使えない者たちは、魔力が使えないなりに様々な文化を創り上げてきた。手の器用さを生かした工芸品や民芸品は土産物や芸術品として価値が上がっている。

【「地区」の注意事項】
 基本的に治安はあまりよくない。中には魔術師に対して攻撃的なアンヒュームもいるが、これは我々魔術師がアンヒュームに対して酷い迫害を続けた因果が回り回った結果といえるだろう。
 また、歴史上、アンヒュームは魔術師の権力争いにも利用されていた。自陣営の魔術師に汚れ仕事をさせたくなかった魔術師が、アンヒュームに敵陣営の魔術師の暗殺を依頼していたのだ。その仕事はアンヒュームたちの間でしっかり根付いてしまっているので、相当な恨みを買っている自覚があるのなら立ち入らないのが賢明だろう。

【「地区」の楽しみ方】
 しかし、地区はその都市によって様々な顔を見せる。いくつか例を挙げるので、諸君らもお気に入りの地区を見つけて、是非ともその文化に触れてみてほしい。

・王都ルフレード
 治安維持に力を入れているため、地区はひっそりとしている。しかしアンヒュームの大半は善良な人々であり、王都の治安に悪影響を与えるような者はほとんどいないのだ。厳格な取り締まりにも負けない、力強い人々の店には豪快な料理が並ぶ。治安はいいが慣れないうちは息苦しさを感じるだろう。

・商業都市アルシュ
 各都市からさまざまな品々が集まるこの都市の地区は、各地の文化を煮詰めたような地区になっている。表では飲食店や工芸品店が並ぶ一方で、路地や路地裏に足を踏み入れるとそこに広がるのは怪しい酒場に廃墟への入口。観光の際には金を払ってでもガイドをつけた方がいい。ガイドはガイド専門店で依頼するか、ギルドを活用してもよい。

・地方都市マグネター
 ここの「地区」は比較的治安がよいので、地区巡りビギナーにはお勧めの地区といえる。ただしスリにはご用心を。こぢんまりとした平穏な雰囲気は、素朴な人々の営みをそのまま見せてくれる。数年前に「隠れ家的カフェが軒を連ねる地区」として紹介されたのだが「それは最早隠れ家ではない」というツッコミが相次いだのはまた別の話。

・海洋都市シノート
 この都市の「地区」は変わっていて、地区とそうでない場所の境目が曖昧だ。というのもシノートの「地区」の人々は特定の家を持たず、石畳の床に布を敷き、その上に商品を並べて商売をする。日によってその場所は変わるので、事前の情報収集は欠かせない。海が近いので、貝殻などを活用した細工品が多い。中でもアマテラスから伝わったとされる螺鈿細工の技術は必見。

【特別付録・クーポン】
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(既に全部使われている)


気の利いたことを書けるとよいのですが何も思いつきません!(頂いたサポートは創作関係のものに活用したいなと思っています)