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ロシアテレビに反戦の兆し?隠された「戦争反対」プラカード


3月14日夜、「チャンネル1」のニュース番組「ブレーミヤ」に、突如女性が乱入して、戦争に反対するプラカードを掲げました。日本でも報道されています。

「チャンネル1」は政府系のチャンネルで、視聴率が一番高いと言われています。ロシアでの反戦活動が、大きくなる兆しだと良いのですが…

ロシアで「戦争」は隠されている

ウクライナ経由のこの画像、実はロシアのサイトでは違った形で発表されています。日本の報道された写真のプラカードには、

NO WAR」の後、ロシア語で「戦争を止めて」「プロパガンダを信じないでください」「これは嘘です」そして英語で「( )AGAINST WAR」

と書いてあります。

プロパガンダを信じるな

しかし、ロシアの独立系新聞「ノーバヤガゼータ」の写真を見てください。「プロパガンダを信じないでください」だけが残され、あとは隠されています。

ロシアの紹介

なぜか。ロシアで「虚偽情報を禁じる」(戦争を戦争と呼んではいけない・禁錮15年)刑法が制定されたからです。ロシアのメディアは、たとえ独立系の「ノーバヤガゼータ」でさえ、悲しいことにこのような対応なのです…

「今日の写真。「チャンネル1」に表れた若い女性」
В эфире программы «Время» за спиной ведущей Екатерины Андреевой появилась девушка с плакатом, полное содержание которого нам запрещают передать Роскомнадзор и Уголовный кодекс.
番組「ヴレーミャ」の放送中、ホストのエカテリーナ・アンドリーバの背後に若い女性がポスターを持って現れました。その全ての内容を伝えることは、ロスコムナゾールと刑法に禁じられています。
По неподтвержденной информации, это редактор Марина Овсянникова.В настоящий момент она задержана.
未確認の情報によると、これは編集者のマリア・アブシャニーコバです。現在、彼女は逮捕されています。

ロシアの情報統制

ロスコムナゾールとは、ロシア連邦コミュニケーション・情報技術・マスメディア監督庁のこと。国内のマスコミなどに目を光らせ、情報統制する機関です。3月4日に制定された「虚偽情報の拡散禁止法」によって、ロシアではウクライナで起こっていることを、「戦争」と呼んではいけなくなりました。

ロシアの人々は混乱している

今、日本では、ネットを使える人=反プーチン、テレビを見てる人=親プーチンと言われていますが、そんなに図式化されたものではないと思います。たとえばネットを見ている人は、フェイスブック、インスタグラムなどSNSが軒並みやられていますが、「テレグラム」というSNSで情報交換をしています。セキュリティがしっかりしているとのことですが、テレグラムで見つけた動画をピックアップしてコメントできる、日本の「まとめサイト」のようなものができています。日本のまとめサイトのように、逆張りをしてたり、反戦・民主を茶化しているコメントもけっこうあって。なかなか、欧米諸国が望むようなことにはならなそうな感じです。

しかし、ロシアの人たちは、ただ黙っているような人たちではないと信じています。ソ連時代も、ちくりちくりと「固有名詞を出さない」アネクドート(皮肉な小話)など水面下の日常生活レベルで、ソ連崩壊の下地を作っていました。

意外と、このソ連の崩壊を経験した50代~60代の人が動くと、ものすごい動きになるかもしれません。ソ連崩壊の端緒となった8月クーデターの、モスクワでの人々の反抗はすごかった。

とはいえ、あの時は、ソ連に対するロシア共和国、クーデター政府に対するエリツィンという受け皿がありました。現状、民主化の活動家と欧米で目されるナリワーヌイ氏は小粒過ぎると思いますが、

難しいとは思うんですけど、やはりロシアの暴挙を止めるのはロシア人にしか出来ないと思います。


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