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ウマポンの教育法①

今回は少しだけ痛い表現がでてきます!
心して読んでください!

さて、中月は6歳から本格的にウマポンと2人で新大久保で暮らすわけなんですけども。
中月はこの時までウマポンと暮らした記憶があまりなかったのでまだウマポンの本性を知りませんでした。

幼い頃の中月からみて、ウマポンはとても怖い母親でした。しかし今振り返ってみると当時の2人に結構突っ込みどころがあったりします。

ウマポンは怒るとき普通に手がでるタイプだったんですけど日本ではヘタしたら虐待とか体罰だとかで騒がれそうですが、実は当時のタイ人の教育方法としては普通のことでした。周りのイトコも親にぶたれまくってるし、なんならタイは幼稚園の先生や学校の先生にすらぶたれるのは当たり前でした。今はどうだかは分かりません。

なので当時の中月の周りにはアムロみたいに親父にぶたれた事がない人はいなかったです。

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そしてウマポンにはとっておきの武器がありました。

それはワイヤーハンガーです。

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ああ思い返すだけでも恐ろしい。

うちには当時いろんなタイプのハンガーがあったはずなんですが、いつのまにか全部ワイヤーハンガーになってました。なんでよぅ。

ある日ウマポンがタイ人友達にワイヤーハンガーのセールスしてて横で聞いてたんですが、

・叩いても壊れない
・細いので跡があまり残らない
・程よく痛い

というのがワイヤーハンガーのおすすめポイントらしいです。

いや程よく痛いってなんやねん。めっちゃ痛いわ。

と中月は横で思ってました。
なので皆さんはワイヤーハンガーで子供を叩くのはやめましょう。将来子供がワイヤーハンガー恐怖症になりますよ。

しかし中月が一番最初に親にぶたれたときはハンガーではありませんでした。

それは中月が日本に来て間もない頃。
中月はタイで暮らしていたので日本語が喋れませんでした。そこでウマポンにプレゼントしてもらったあいうえお絵本で日本語の勉強をしていました。

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中月の持っていた絵本は上のようなタイプで、「あ」のページだったら左の「あひる」をウマポンに一回教えてもらった後に1人でちゃんと言えれば次に進めるという方法をウマポンと一緒に勉強していました。
中月はア行は楽勝だったのですが何故か毎回カ行で引っかかっていて、カ行が言えるまで1週間ぐらいかかっていました。今思い返すとまあまあ出来の悪い子供ですね。
最初はウマポンも中月が間違えるたびに笑いながら違う違う、と言って教えてくれてたのですが、中月があまりにもカ行が言えない時間が続いたためか、ウマポンの表情が曇りだしました。

中月もそれを察していたのですが、それでもどうしてもカ行が言えません。

中月が何回目かの「わかんない」を言い出した瞬間、突然のバゴーンという音と強烈な痛みが中月を襲いました。

いやまさかの顔面グーパン

と同時にウマポンは言う、

「どんだけカ行が覚えられないんだよ!タイ帰れ!」

ちなみにこの部分はタイ語です。

いや、たしかに今中月も思い返すとどんだけカ行言えなかったんだよ自分って思いますけども、、
それにしても6歳の娘に顔面グーパンって、、

当たり前のように中月は泣きだし、同時に鼻血をだしました。血をみてウマポンも我にかえって慌ててタオルを冷やし中月の鼻に当ててくれて、その日のお勉強は終了。

しかし中月はこの時の恐怖が強く残り、しばらくの間四六時中絵本を抱えて練習したことですぐに全部覚えることができました。

ウマポンはこの時グーパンで殴ったことで自分の手を痛めたらしく、それ以降素手で殴ることはやめてハンガーにシフトチェンジを決めたそうです。どんだけ力いっぱい殴ったんだよ。

それから何年かたったある日の事。
ウマポンが後輩タイ人(後輩タイ人?)を家に招いて飲みながら話していたのですが、後輩タイ人が子供のしつけ方についてウマポンにアドバイスを聞いていた時、ウマポンはこんな事を言い出しました。

「私は子供を叩く時は体しか叩かない。頭や顔は叩いた事ないし絶対叩いちゃダメよ。発達中の脳に影響が出ちゃうかもしれないから。」

中月は最初それを聞いた時、
「ほーウマポンも意外とそんな事考えてたんだな。さすがウマポン。略してさすウマ」

と思っていたのですがその後にすぐ気づいてしまいます。

ん??
アンタ顔面グーパンした事あるやん???

びっくりしたーすげー偉そうにアドバイスしてたけど自分やってるやんけ。

中月はツッコミたくてしょうがなかったけど、ここで中月がツッコむと後輩タイ人の前でウマポンが恥をかくことになり、後で中月がワイヤーハンガーの刑になる未来が見えたのでグッと堪えておきました。えらいぞ中月。

ウマポンと過ごす上で最大の難点は、ウマポンの沸点がよくわからないことでした。

ウマポンに色んな事で怒られてきましたが、特に記憶に残っているのはお風呂場での出来事です。

当時オンボロアパートに住んでたわけですが湯船は正方形で深さがあるタイプのお風呂でした。

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小学校から帰ってきた中月はウマポンに、「お風呂入れたから入って」と言われます。中月はわかったと言いお風呂場に入ると湯船には入浴剤の入った曇ったお湯が湯船いっぱいに入っていました。先に体を洗おうとした時、事件が起きます。当時固形石鹸を使っていたのですが、体にこすりつけてる時に手を滑らせてお湯がいっぱい入ってる湯船に石鹸を落としてしまいました。
青ざめる中月。すぐに石鹸を拾おうと湯船に手を突っ込んで石鹸を探します。しかし湯船の底に行ってしまった石鹸に手が届くこともなく、気がついたら手でかき混ぜたことで湯船の中が泡風呂になっていました。さらに焦る中月。
中月はこの時、これがウマポンにバレたら○されると確信していました。

どうにかしてバレないようにできないかと考えた結果、中月はお湯を全部捨てて石鹸を拾って新たなお湯を入れる方法を思いつき実行しました。
が、お湯を抜いてる途中で悪魔の声が聞こえてきます。

「ヒロコなにしてるの?」

さすウマ、タイの田舎で育った野生のカンでお風呂場で事件が起きていた事を察されてしまいました。中月は震え声で「なななにもないよ」と言いますがウマポンは聞く耳持たずすぐに扉を開けてしまいます。「オワッタ…」と思った中月はウマポンの顔を見ることが出来ませんでしたがかなりの怒りオーラを感じ取られました。ウマポンは静かに「どういうこと?」と聞いてきます。中月は素直に石鹸を落としてしまって探してたら泡風呂になりましたと伝えると急にお風呂場に地震が起きます。そう、ウマポンが怒りで震えているのです。そしてウマポンは私をぶつのではなく何故かお風呂場で発狂し暴れ回ります。この時のウマポンは本当に怖かったです。

そして暴れ疲れたウマポンは一言、

「オマエ一生この風呂場にいろ」

と言い風呂場から出ていきました。中月はこの時とても素直だったのでお風呂場でえんえん泣きながら泡風呂に3時間ぐらい浸かり自分のバカバカと言いながら反省していました。

すると3時間たった後にウマポンがまたお風呂場にきて叫んできます。

「アンタいつまでそこにいんのよ!!!」


えええええ理不尽んんんん!!

まあでも許可がでたのでお風呂場から出た中月でした。

この時は本当にウマポンが怖かった出来事だという記憶しかないのですが、

今思い返すとクソしょーもない出来事ですね。

世のお母さん、子供が石鹸を湯船に落としてもお風呂場で暴れ回るのはやめましょうね。かなり恐怖なので。

教育エピソード次回に続きます!





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