見出し画像

O田胃散整腸薬との闘い

まずO田胃散整腸薬をdisる意図は全くない事を明記しておく。
また、食事前に読むべき話でもないことも付け加えておく。


「あなたにとって“敵”とは何ですか?」と聞かれたら私は迷いなくコイツや、と挙げる存在がある。
ミント、メンソール系の清涼感である。

なんでや〜あのスースー感がたまらんのに〜という人やチョコミントアイスを定期的に食べないと手先が震える程にミントを愛している人たちが周囲にもいるのでミントやメンソールの人気は重々承知しているが、そんな人たちにも各々苦手な存在があるように私は口の中で清涼感が暴れることを苦手としている。そのきっかけとなったのがO田胃散整腸薬だ。

もう10年以上前のことだが、私はその日謎の胃もたれと胸やけで体調を崩していた。胸のモヤモヤを我慢しつつ夕飯を頂いたが時間が経つにつれ耐え難い不快感に本格的にやられ始め、もうこれはさっさと薬を飲んで休むべきと家の薬箱からO田胃散整腸薬を取り出した。幸か不幸かそれまでは胃もたれとは無縁の人生であったので初めてO田胃散整腸薬を使う日でもあった。
なるほど顆粒タイプか、効果が早く出そうだなどと思いながらコップに水を注ぎ、封を切り、躊躇なく薬を口に含んだ。その瞬間である。

あ、これは嫌な予感がする。

舌の上で独特の苦味と同時に清涼感が広がるのが分かった。瞬く間に目に涙が溜まり、私にとって長く口の中で遊ばせるべき味ではないことを瞬時に判断して慌てて水を含んで嚥下したその時、胃をハンマーで殴られたかのような衝撃が私を襲った。
ンッフ!!とその衝撃に耐え、られるはずもなく我慢して食べた夕飯がエベベベベと全てシンクに向かってリリースされていった。呆然とした。
吐いた?今私は吐いたのか?いつ??今??
薬が胃に落ちる前に???

口の中に広がるすえた匂いと薬の苦味と清涼感。なんとも言い難い感覚に呆然とした。薬は胃の中に落ちることなく全て夕飯と共にリリースされ、薬としての本分を全うすることなく流れ出ていった。
それなのに胃もたれと胸焼けはすっかり治まっていたのである。

O田胃散整腸薬は…吐かせて治す的な薬だった…?(違う)

呆然としながらも私を悩ませていた胃もたれと胸焼けは治ったので、悲惨な口内を水ですすいで横になった。お陰様でめちゃくちゃ快眠だった。
この一件から、堪え難い体調不良に陥った時はO田胃散整腸薬に挑戦してはエベべべべと散る日々が始まった。

この10年以上に及ぶO田胃散整腸薬との闘いで私は口の中で清涼感が暴れること=ゲ■のお時間という癖がすっかり身についてしまった。多少の支障はあるものの体調不良時にはコレで100%胃がすっきり爽快になる安心感の方が大きく、大変助かっている。

まさかO田胃酸整腸薬も本来と違う目的で使われまくるとは思いもしなかっただろう。
しかしこれから先も私のもとにあるこの薬は本来の役目であろう胃まで届いて胃もたれを軽減する効果を発揮することはきっと永遠に来ない。

いつもありがとうO田胃散整腸薬。ありがとう清涼感。
しかし願わくば清涼感がないタイプも是非出して欲しい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?