見出し画像

北国「あ、うんの呼吸」道の路肩

 私がよく使う住宅街の細い抜け道、それは高低差がある上に、ほとんどの交差点にはどちらも一時停止の標識が出ている。まっすぐ行くものもそれを横切るものも、すべて一旦停止。冬になるとその方式がしみじみと、ありがたいと思う。

 急いでいるときにも事故らないようにという緊迫感でそろそろと進む。どちらかが一時停止ライン(と思われるあたり)に先についたら、そろそろと前に出る、相手も目で合図して先をうながす。次は待っていた人が自分の番だと思っていても,慎重に反対車線からそろそろと進み出る。交互にその繰り返し。まるで交差点は出逢いの広場のようだ。

 大雪の朝、すり鉢状になった道の路肩を互いにななめになりながらすれ違う車同士……。どうすることもできなくて道にだされる雪が作る深い深い轍(わだち)に足を取られながら車道を歩く歩行者達。

 それらの諸事情からうまれたこのやり方は北国だけの交差点ルールだとはいわないけれど、これで慣れているから突然信号機の動かなくなった交差点も混乱なくうまくすすめたのではないかと・・・北海道大停電、9.6震災のときに見て実感した。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?