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noteでよかったこと 1

私のやっている仕事は、占い師の先生のゴーストライターという立場なので、仕事がくればその先生になりきって原稿を書かなくてはならない。口調やいつもブログでいっていることなども加味して作業するのは慣れればどんなライターさんでもできるようになる。ただ、先生によっては「お父さんのように叱ってください」(男性の年配の占い師)とか「お姉さんのようにさとしてください」といった指定もある。こまかな書き方のルールや漢字にするかしないかという指定など、決まり事が嫌いで自由に書きたいと思っている人には「ちょっと無理」と思われそうだ。

自分が占い師だったのでユーザーが目の前にいて鑑定してもらっている気分になれるようなものを書きたいと思ってきた。しかし量産し始めるとそうもいってはいられない。しかし今や一世を風靡した携帯の占いサイトはFacebookの無料の診断テストと似たようなポジションにおいやられつつある。しかも占いのほうが有料だったりするので不利だなと感じてしまう。

クラウドワークスやランサーズなどに代表される、アウトソーシングのサイトの原稿依頼をみていると、分量が1原稿1000文字(@100円ぐらい?)というような依頼も多い。もしそれが占い原稿だと仮定し、あの書きにくい総合運でまとめるなどと考えると気が遠くなりそうだ。私たち在宅ライターの仕事が成り立たなくなってきたのは、ネットはなんでも無料だという考えに基づいて作られる文章の文字単価が1円以下になってしまったときからだったような気がする。

その何でも「タダ」という風潮に一石を投じてくれたのがこのnoteだと思う。好きな人の文章をお金を払って読むということの大事さ、本そのものや書き手に対する何にも替えがたい愛情と尊敬を、どうしても何かにかえるとしたら……。だからメルマガを発行できたり、応援の投げ銭ができるシステムをとても良いと感じる。

つづく

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