横浜民が「出身は横浜です」という理由
みなとみらいの写真お借りしました。神戸の方も「出身は神戸です」と答えると記事で読みました。「兵庫です」と答えて「芦屋!?」と思われないように、へりくだる意味もあるとのこと。とてもわかる!と思いました。
関西と関東のコミュニケーションの違いを調べていたときに出会った、説明がとてもうますぎる記事です。冒頭で「兵庫です」と答える理由が書かれています。
これを読んで、横浜出身の私も似たような感じだ!と思ったので、テレビなどでよく見る「横浜ってわざわざ言うところが気取っている」というのが完全に誤解ですっていうのを弁明していきたいと思います。
横浜民は横浜だけで生きていける
横浜って370万人いるんですよね。ジョージア(国)の人口と一緒。こんだけ人がいると、それだけ商売もあるから横浜内でほぼ全てが完結できるんです。
横浜市内でも区によって多少の違いはあるけど、ちょっとした外食は近所で済むし、週末のおでかけも、横浜駅かみなとみらい方面(桜木町・関内・中華街・石川町・元町)行けば済んじゃう。
八景島シーパラダイスもあるしズーラシアもあるし。
(ズーラシアできたときは「おぉ!」ってみんな湧いたけど。今思えば謎なくらいオカピがブームになりました。)
他にもラーメン博物館やら日産スタジアムやらがあって、百貨店も横浜駅周辺に密集していて、ないものがない。でっかい花火もみなとみらいで打ちあがる。規模デカイ祭りも市内で結構ある。
なので、横浜で生まれ育つと大人になるまで、たまの旅行などを除けば横浜から出ないことすらあるんです。神奈川じゃなくて、横浜から出ない。
横浜から出たくないなんて思ってないんですよ。ただ、近所でことが済むので遠出する理由がよっぽどのことでないと、わざわざ遠出する熱量にならないだけなんです。
逆に「神奈川感」ってものがない
神奈川って、地域によって特性が全然違いすぎるんですよ。だから他県の人に「神奈川です」っていうと、結局「神奈川って言うと、〇〇とか?〇〇があっていいよね!」って言われて「そうじゃなくて」ってなるんです。その「〇〇」のイメージは大体次に分類されます。
横浜:みなとみらいとか中華街とか観光地なイメージ
鎌倉:寺、自然、飯、海など豊富な観光地なイメージ
湘南:海!青春!サーフィンとかやっぱり好きですかイメージ
箱根:温泉!温泉!温泉!
じゃないですか?
横浜民も他の地域のことがフワッとしている
無意識に「川崎」を外している自分に気づいた。川崎は東京の隣ってイメージで、気分的にはもはや東京。なんとなく工場は多いイメージ。友達が川崎に近いところに住んでいれば1度や2度くらいは行くかな、な感。私が子供のころはラゾーナとかなかったんで、あんまり行かないままでした。
「湘南」がどこからどこまでかっていうのは怪しいんだけど、他県の人の場合は茅ヶ崎とか江の島とかひっくるめて湘南ってとらえていると思う。実際は少し違うらしいですが、横浜民もたぶんそこらへんフワッとしてます。
ちなみに三浦はマグロおいしいところ、あるいは林間学校とかの行事で行くところ、厚木や相模原は運動部とか入ってると遠征で行くところです。先方の体育館・グラウンドくらいしか知らないまま帰ってきます。
鎌倉・江の島・箱根は好きな人が横浜民にも結構多い気がするんだけど、行く頻度自体でいうと他県の人の旅行と同じレベルな気がする。
横浜以外のこと聞かれても困る
「神奈川出身です」って答えると、海好きの人には「湘南」の話を聞きたがられるし、軍とか好きな人には「横須賀」のこと聞かれるし、温泉好きな人には「箱根」のこと語られるんです。こちとら詳しいことはわかんないのに。なので「横浜です」って言う気がします。
テレビで「〇〇県民の芸能人」さんたちが、県内全域のことを詳しく知ってたりするのを見ると、仕事で仕入れた情報もあるんだろうなとは思いつつ、それでもすごいと思ってしまいます。あんなに語れないです、横浜以外のこと。
横浜民にとっての「横浜」は「=みなとみらい」ではない
「横浜」で画像検索すると「みなとみらい周辺」がすごい出てくるんで、あぁ、やっぱそういうイメージよなぁとは思います。
しかし、年齢にもよると思うのだけど、みなとみらいって横浜民からしてみても「新しいもの」なんですよ。それに、現みなとみらいから少しだけ歩いたところにある伊勢佐木町や関内のあたりは、かつて子供がうろちょろしていい町ではなかったし。
その空気感が知りたい人は「龍が如く7」やってください。なんとなくの空気感はなんとなくわかります。
赤レンガ倉庫があんなに華やかな場所になったのも、おじおば横浜民からすると「めっちゃ新しいこと」です。商業施設化したのは2002年のことですからね。
多くの横浜民にとっての横浜は、都会感・近未来感のある「みなとみらい」ではなく「きったねぇ川が流れるごちゃついた横浜駅」の方な気がしますし、なんなら横浜駅からちょっと離れれば畑も林も普通にあるんで、そっちこそが「真の横浜」という体感です。
おしゃれになりきれない絶妙な小汚さ、人口過密のごちゃごちゃ感、そこはかとない治安の悪さ、自然という名で放っておかれてるだけの雑草群と林、というのが、リアルなところではないでしょうか。
しかしながら、他県の人のイメージでは「横浜=みなとみらいあたり」なので「横浜出身です」っていうと「気取っている」と思われてしまうんです。違うんだよぉ!
若い横浜民は結構綺麗になった後の横浜で生まれ育っているから、また変わってくるようにも思うけれど。
「横浜です」の後に「クソ田舎の」ってつけることも多いんじゃないか
みなとみらい・元町周辺ではないところで生まれ育ち、なおかつ、そこそこの年齢のおじおば横浜民なら、「みなとみらいのイメージしないでね!気取って言ってるんじゃないからね!」の意味で「クソ田舎の」というような言葉を添える気がします。
なんなら、他県の人が「真の横浜」を知ってくれたら話は早いのに、とすら思います。
「横浜です」という回答の主たる目的は「他の地域のことはわからんので、あしからず」なんです。
ましてや、みなとみらいのこともガッツリ観光した他県の人の方が詳しかったりするよ、ほんとに。未だにランドマークタワーの高層に何があるのか、全然知らないし。展望台には行ったけど60階分くらいエレベーターでぶっ飛ばしちゃうからね、中身は知らないんだよね。
「気取って言ってるんじゃないんだな」と思ってください
「横浜です」って横浜出身者が答えたら「何くそぉ!生意気なぁ!」と思わないでください。「横浜以外のことはあんまり知らん奴」と思ってください。そして、横浜以外のエリアのことをあんまり聞かないでください。
横浜以外のエリアのことは、他県のみなさんと同じくらいの知識レベルしかないので、聞いても面白くないと思います。
なんなら、クソ田舎の真の横浜のことを聞いてみてあげてください。色々しゃべると思います。それか「マジでなんもねぇっす、なんでもあるけど、なんもねぇっす」と言うと思います。
よろしくお願いします。
※綺麗な横浜民の方、反論あると思いますが許してください。クソ田舎方面の横浜民の感覚を書いただけですので。
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