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小学校でクラス替えを4回経験した話

地元出身者と話していると、クラス替えをほとんどしたことがない子が珍しくない。この地域の普通はそれだとしたら、私の小学校時代は決して普通ではなく、クラス替えに翻弄され続けた6年間だった。

6年間で4回のクラス替え

私は、小学2年生のときに母校に転校をしてきたいわゆる「転校生」だ。通常は1年生から持ち上がりのクラスであるが、私の学年だけは人数が増えた関係で異例のクラス替えがあったと聞いた。

そのため6年間母校に在籍した人たちは、合計5回クラス替えを経験していたこととなる。もはやクラス替えのプロ達だ。

ただ私は転校してきた年にクラス替えがあって良かったと思っている。持ち上がりのクラスに転校してきた場合、出来上がった集団の中に入らなければならないからだ。友達作りの苦手な私は、出来上がっていないクラスに入ることで運良く友達作りにはさほど苦労しなかった。

一年経ってようやく学校にも慣れてきた3年生に上がる頃、クラス替えがあった。今度は人数が減った関係でクラスも減った。そのためクラスの人数が増えて、今まで違うクラスだった人達と同じクラスになった。

3年生から4年生に上がるときは、クラス替えがなかった。この時のクラスには、既に友達が出来ていたのでクラス替えがなくてほっとしたことを覚えている。厳しかったがやり手で、親たちからの信頼が厚い先生のクラスだった。

しかし5年生に上がるとき、今度はまた人数が増えた関係でクラス替えがあった。3〜4年の頃のクラスとは色が違ったが、最終的にこのクラスは楽しかったと思う。男女仲は悪かったけれど、女子は良い意味でも悪い意味でもまとまっていた(笑)

だが6年生に上がるとき、また人数が減った関係でクラス替えとなった。ここまでくると「どこかの学年で同じクラスだった人」の寄せ集め感が半端ない。おそらく皆そう思っていただろう。大抵、仲の良い人同士が同じクラスになっていたのは先生方の計らいもあったのだろうか。

こうして6年間で4回クラス替えを経験して、私は小学校を卒業した。その後の話をすると、中学時代は1回、高校時代はクラス替えが無かったので小学校時代が異例だったことは否めない。

クラス替えをしてよかったこと

6年間で4回クラス替えをして、当時は仲の良い友達とクラスが離れるのが嫌だった記憶があるが、振り返ると悪い経験ではなかったと思う。

クラス替えをしてよかったことは、

・多種多様な子がいることを知ったこと
・新しい環境に適応しやすいこと

である。

4回もクラス替えをしていると、その都度自分の周りの環境は変わる。それまでのクラスにいなかったタイプの子が、次のクラスにはいることもザラにある。

そのせいか、ウマが合わない人と出会うのも早かった。しかし「いろんな人がいる」と考えて、攻撃をしようとは思わなかった。またいろんな家庭があることも、小学生時代に知った。

クラスは面白いもので、たとえば団結しているクラスがあったとしても、その隣のクラスは学級崩壊をしていることがある。所属するクラスが違うだけで、こうも環境が異なるのか。似たような経験を小学生の頃に体験できたことは貴重だったのではないか。

これをクラス替えをほとんどしたことがない人と話すと、高校時代に初めて環境が変わったと言う人が多い。中学まではほとんど周囲が変わらなかったので、多様さに気づく機会がなかったと。

また新しい環境に慣れるのも早くなった。これは中学、高校、大学、社会人になってからも活かされている。一年ごとに環境が変わるのが当たり前だったから、逆に何年も同じ環境の方が珍しいと感じるものだ。

クラス替えは、最低一年間を左右するものだと思う。しかし一年間は早いもので、人間関係はなんとかなるのだ。でも小学生の子どもにとっては、クラスが変わることは一大事で友達ができなかったら…と不安になる気持ちは分かる。

大人になって振り返ると、6年間で4回クラス替えがあったことは悪くなかった。その分友達の幅も広がり、小さい頃から多様性の中で生きてこられた経験は大人になって活きるだろう。

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