穏やかであること

ばぁばとパスポートを取りに行った。

準備をして家を出てみると、思いの外天気がよかったので、歩いて谷4のパスポートセンターへ行くことを提案したところ、快く賛成してもらえたので、2人で日傘をさしながら、仲良くパスポートセンターへ向かった。

途中、近道だからという理由でNHKの中を通った。
建物の前を通ったことは何度もあるが、中へ入ったのは初めてだった。
子供向け番組のコーナーがあり、うーたんとわんわんもいてとてもテンションが上がった。

平日昼間ということもあり、中はガラガラだったので中にいた担当スタッフのお姉さんがずっと解説してついて回ってくれた。NHK番組への愛が深いお姉さんで、少し話をすることもできて楽しかった。

NHKを抜けて、パスポートを受け取る。
前回の写真と今回の写真の顔が違いすぎてきまずかったが、そんな人いっぱいいるのだろうな。
これでもう韓国へ入国する際にパスポートと顔が違いすぎて止められるという恥ずかしい経験をしなくて済むはずだ。

帰りに難波の宮公園のイベントへ寄った。
告知が十分でなかったのか、公園の外から中の様子が見えにくいからなのか、平日だからか、人が全然いなかった。
いろいろな国の食べ物やビール、ワインの屋台が並んでおり、しかも並ばずに買うことができるという、まさに天国のような場所だった。
しかしランチを食べてしまったあとだったため、お腹がいっぱいだった。
木陰でワインを1杯だけ飲んだ。

暖かな日差しのなか、5月の風が頬を撫でて、木々の中を通り過ぎていく。隣では、老夫婦がビールとウインナーとフライドポテトという最高でしかない組み合わせを堪能していた。2人の間に特別盛り上がる会話はなくても、2人がこの場の幸せを噛みしめるようなあたたかい空気が、こちらの席にも流れてくる。それだけでなんだか幸せな気持ちになった。
同じ場所を共有する他人が、穏やかで、幸せそうであることが、こんなにも自分も幸せと直結するのか。

穏やかであることが自分の何よりの幸せだが、周りの人にも穏やかであってほしい。それが他人であっても。


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