守護するもの
私に悪意を向けてくる男の人、何故かみんな不幸になるんですよ。そう言ったのは、Aさん。
聞かせてくれるように水を向けると話し出した。不幸の大小はあれど、確かに彼女が気に入らないことをした男性はことごとく不幸に見舞われるようだ。
大きいところでは、元夫は転勤先で事故にあい、大怪我を負い。Aさんからの借金を踏み倒して別の女と結婚した元彼が実家ともども凋落。
小さいところでは、セクハラを繰り返す上司が何もないところで転倒し骨折。嫌な仕事ばかり押し付けてくる先輩は、ある日突然マグカップが割れ、淹れたてのコーヒーが腿にかかり火傷を負った、など。
自分の手を汚すことはなく、姿の見えない誰かが大小を問わず仕返しをしてくれる。だから私きっと守護霊に強く守られてると思うんです、とにっこり笑うAさん。
その笑顔にどうしても彼女の背後が気になった。
Aさんの背後に見えたもの、それはどぅみてもAさんそのものの姿だった。
そんな話を聞かせてもらった。
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