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昔よりアニメを楽しめなくなった人におすすめ!アドベンチャータイム!


 「昔はアニメを楽しめていたのに、今はなんだかあまり響かない」という内容の悲しいオタクの嘆きを見たことがあるでしょうか。SNS上で日々オタクたちの呟きを眺めていると、稀にこういうテーマの体験レポ漫画が流れてくることがあります。今の所、私自身にはそういった経験は無いのですが、人生を進んで行くと色々なことがあるので想像に難くないです。


同じような内容の物語展開をされると既視感からつまらなく感じたり、自分の価値観が年齢と共に変化し以前は気ならなかったキャラクターの言動に違和感を覚えたりする、といったところでしょうか。


似たようなレポ漫画は何個か観測したことがありますが、どれも内容を見る限り、「オタクであることを諦め一般人へとジョブチェンジすることも出来ずなんとか自分のハマれる作品を探す」という流れでした。これはおそらく歳を重ねた多くのオタクがぶつかる壁なのかもしれません。オタ活の楽しさを知っている以上、今更そのアイデンティティーを捨てることの出来ない哀しきモンスターに我々はきっとなるのでしょうね。


しかしまだ諦めることはありません、解消法はあります。今手にあるコンテンツにハマれないのなら新たなコンテンツを開拓すれば良いのです。


そんなあなたにオススメなのが、そう!カートゥーンです!そしてその中でもとびっきりに特別な作品、そう!アドベンチャータイムです!ここではアドベンチャータイムの魅力についてを話していきたいと思います。




そもそもカートゥーンってなに?


カートゥーンとは、主にアメリカやヨーロッパで制作された子供向けのアニメーションを指します。もともとは、コマ漫画や初期のアニメーション映画が「カートゥーン」と呼ばれていましたが、次第にアニメーションのことも指すようになりました。今ではカートゥーンといえば「子供向けのアニメーション」という意味で使用されています。短縮された形で、トゥーンと呼ばれることもあります。


パワーパフガールズやマイリトルポニーなど、名前だけは聞いたことがある!という人も多いのではないでしょうか。子供向け、というのが大前提にあるため成人向けの内容になっている作品には用いられません。例えばサウスパークなんかはカートゥーンの枠には振り分けることは出来ないということになります。


単語の持つ本来の意味は今説明した通りですが、日本で呼称される広義な意味での「カートゥーン」は、アメリカで作られたアニメといったところでしょう。線画が太かったり、身体の凹凸を極端に強調したデフォルメされた形を見ると大体の人はカートゥーンぽい、と感じるように思います。


子供向け?面白いのか?と思う人もいると思いますが、侮ってはいけません。日曜日という労働の休息日にわざわざ早起きをしてテレビにかじりつく大きなお友だちが居るように、近年の子供向けアニメはもはや名ばかり、内容は大人が見ても楽しめるものになっていますよね。カートゥーンも同じです。というかむしろ子供は理解できるのか、なんて余計な心配をしてしまうぐらい面白い作品が目白押しです。


その中でも特におすすめ、アドベンチャータイムについてこれから話したいと思います。



アドベンチャータイムって?


アドベンチャータイムとは、カートゥーンネットワーク(アメリカを本拠地に世界展開を行っているカートゥーン専門チャンネル)内で作成され、日本では2012年から2019年まで放送されていた、特別クレイジーで最高にキマっている子供向けアニメです。ファンの間ではタイトルの頭文字を取って、「AT」と略されることが多いです。


アメリカ人が生み出した純度100%の狂気は長年アニメオタクをやってきた猛者たちでも耐えられるかは定かではありません。テンポよく繰り広げられる物語の展開に初めは混乱することもあるでしょう。記念すべき初回の第一話、「恐怖のパジャマパーティー」でゾンビものをやる制作陣です。突如始まり、突如終わる。それがアドベンチャータイムなのです。


しかし、ただ頭がおかしくなるアニメというだけではありません。しっかりと練られ巧妙に張られた伏線、キャラクターたちの掘り下げ、どれもクオリティが高く気づいたらアドベンチャータイムのことしか考えられない、そんな中毒性のある内容になっています。



アドベンチャータイムの世界観


子供向けアニメの特徴として、優しい世界観の中に大人でも楽しめる要素が含まれているという傾向があると思います。しかしアドベンチャータイムは違います。表向きには可愛らしいお菓子のような外見をしていますが、その世界観はかなり攻めたものになっています。


アドベンチャータイムは、核爆弾で崩壊した後に魔法が復活した世界を舞台に、勇者に憧れる人間の少年フィンと魔法の犬ジェイクの親友コンビが、地球唯一の大陸「ウー大陸」で冒険を繰り広げる剣と魔法のシニカルファンタジーコメディ。 (ウィキペディア参照)



まさかの終末世界です、信じられないですね。アメリカ人の考えることはわけが分かりません。子供向けアニメを作る際に、核戦争後の世界を舞台にファンタジーをやろう!と一体誰が考えるのでしょうか。流石にそのまま直接「核戦争」の単語を作中に出すのは憚られたのか、「マッシュルーム戦争」という名称で世界が滅びたことになっていますが、お察しです。


しかし本編は戦争から既に1000年が経っており魔法が復活した世界観のため、ちゃんとポップで可愛らしい絵面になっています。作中ずっと殺伐としたむき出しの荒野がただ眼前に広がっている、というような感じではないので安心してください。


アドベンチャータイム世界では人類が好き勝手した結果、地球にでっかい穴が空き、大陸もただ一つしか残って居ません。「ウー大陸」と呼ばれる唯一の大陸で、唯一の人間である「フィン」という名の男の子が主人公です。その他に出てくるキャラクターはキャンディだったり、身体が変幻自在の犬だったり、妖精だったり、そこで幼児向けの正誤性を取ってきます。壮絶ですね。


フィンにはジェイクという名の親友であり相棒が居ます。フィンは赤ちゃんの頃、森でさ迷っていたところ犬の夫婦に拾われ、その家の息子であるジェイクと兄弟同然に育ちました。そのため二人は大親友なのです。その相棒ジェイクと冒険したり遊んだり、楽しく日々を過ごしている様子をお話にした基本一話完結の幼児向けアニメになっています。


アドベンチャータイム世界のことはなんとなくわかってきたが、では一体他のアニメとはなにが違うのか、という疑問点を個人的見解ですが説明したいと思います。


アドベンチャータイムに出てくる登場人物を見ると、キャラクターの性格が細かく書き分けられていることがわかります。設定も細分化されており、作品の中で動くキャラたちを見ていると、現実に存在する人間と似た部分を感じるのです。複雑な思考と行動にリアルな反応を見れることが多く、自分と似たようなキャラクターと出会い共感できるのが特徴ではないでしょうか。


アニメでのキャラクターの性格の描き分けはほとんどの場合、元気系、クール系、ツンデレなど大まかな枠組みで性格を描き、主に台詞で個性を持たせているような気がします。自分とは全く異なる人物の物語を見ることで間接的に勇気をもらったり励まされたりするのが他のアニメの魅力だとすると、キャラクターに自分の一部分を重ねて物語を見ることができるのがアドベンチャータイムの魅力だと感じます。


そしてなにより素晴らしいのは物語の内容です。アドベンチャータイムがとびっきり特別な作品だと感じる理由はここにあります。今まで書いてきたように、このアニメはクレイジーで狂った内容の物語ですが、教訓的な話や哲学的な内容になっていることが多いです。


生と死、輪廻転生、他者とは真に分かり合えないという痛み、本当に大切なのは愛など、私達が日々感じる悲しみや嬉しさから発生する苦悩をほぼ全て網羅してきます。それに対してハッキリ答えを出すことはせずに、視聴する側へ問題提起するだけな部分もアドベンチャータイムの魅力です。人生の中で得る気づきを物語を通して追体験できるため、大人であるほどこの作品を楽しめるように感じます。


だから、今まで見ていたアニメを楽しめなくなった人にはアドベンチャータイムがオススメなのです。




主な登場人物たち


アドベンチャータイムの魅力の一つである個性豊かなキャラクターたちはこの作品に欠かせない存在です。様々な特性を備えた登場キャラクターを紹介していきたいと思います。


フィン・マーティンス

主人公の少年。1話の時点では12歳だが、物語の終盤では17歳になる。耳の付いた白い頭巾のようなものを常に頭に被っている。長髪で地毛は綺麗なブロンドだが、シラミが頭にわく回では躊躇なく丸坊主にしていたため外見への頓着は特にない模様。正義感が非常に強く、誰かが助けを求めていれば必ずそこへ駆けつけるような性格。テンションが上がった時は信じられないような奇声を上げながら暴走機関車と化すが基本的には心優しい少年。作中では恋愛や親子関係のいざこざ、自身の過去など様々な経験を経て一人の人間として成長していく過程が見られる。



ジェイク

フィンの相棒で親友。黄色い犬。二頭身だが身体の形を変幻自在に変えられる。30〜40代のおっさん。レイニーコーンという彼女との間に5人の子供をもうけているが籍は入れておらず同じ家にも住んでいない。彼女との間柄はあまり多くは語られないが恋人関係は良好。フィンとは家族で赤ちゃんの頃からずっと一緒に育ち、今もツリーハウスで同居している。子持ちでありながら働きもせずフィンと共に遊びに明け暮れる日々を送っているため、会社経営をしている自身の息子から苦言を呈される回がある。細かいことは気にしない性格。



ビーモ

ゲーム機型の小さなロボット。ゲームボーイに似ている。明るく優しい幼い子どものような性格で非常に可愛らしい。フィンとジェイクと共にツリーハウスで同居している。可愛らしく純粋なビーモであるが、フィンがガラクタを集め作った「ネプター」という名のパイ投げロボットに対しては、「悪いけど君とは住む世界が違う」など、同じロボットとしての格の違いを説くような発言がみられ、見下していることが分かる。機械でありながら高所から躊躇なく飛び降りた結果、画面が割れるなど勇敢な部分もある。ときおり達観したような深い言葉を零すことがありこれも純粋さ故のものなのかもしれない。



プリンセス・バブルガム

キャンディ王国の君主。名前はボニベル。国を築き上げた当初からその地位に君臨している独裁者であり、国民を自らの手で作り上げたマッドサイエンティストでもある二面性を持つ。独裁とは言っても国民であるキャンディピープルたちに国を運営する知能は無いため必然的にその地位に居るだけである。国民からは慕われておりバブルガムも国民を愛している。しかし目的のためなら手段を選ばず国民を見捨てたり、権力と科学力を駆使してキャンディたちを改造するなど、国の存続のためなら何でもする利己的で頑固な側面も見られる。フィンの初恋の人。



マーセリン

元人間のヴァンパイア。女性。マッシュルーム戦争の時代から生きている不老不死。人をからかうのが好きでよくフィン達をターゲットにしている。ベースを弾き歌を歌う。サイモンという人物が恩人で、核戦争後幼かった自分と共に生きてくれたその人のことを今でも大切な友人だと思っている。髪型を変えたり、服も登場する回ごとに違ったり、オシャレなキャラクターなのに鼻くそをほじっているところを作中で描かれてしまう。バブルガムとは昔馴染みでボニーとの愛称で呼ぶ。ただならぬ関係性。



アイスキング

氷山に住むイカれた魔法使いのじじい。氷山にもともと住んでいた沢山のペンギンと一緒に暮らしており、その全てに「ガンター」と名付けている。お気に入りのガンターが一匹存在し、その個体だけを贔屓するがその個体に特別懐かれている様子はない。婚活に命をかけており、各国のプリンセスを拐い、監禁しては結婚を強いているため殆どのキャラクターに嫌われている。たまに拐ってきたプリンセスに自身の書いた二次創作物語を読み聞かせ、ちゃんと聞かないと激昂するという狂人っぷりを見せる。二次創作はアドベンチャータイムのキャラクターを性転換させた内容になっていて、犬のジェイクは猫に変わっている。自由人で自分の欲望に忠実、意味不明なことを喋っては煙たがられ、その対応にショックを受け孤独だと喚く大迷惑なじじい。



レモングラブ伯爵

狂人しか出てこないアドベンチャータイム世界きっての大狂人。耳をつんざくような奇声を上げ発狂しながら喋るためかなり怖い。レモン王国という自分の国で圧政を敷いている独裁者。そのため国民が飢餓状態に陥り援助を受けるといった回や、圧政に苦しむ国民が決起し暴動を起こす回など彼の登場する回はさんざんである。もともとはキャンディ王国の住人で、バブルガムが初めて作ったキャンディピープル。全ての諸悪の根源はバブルガムであり少し可哀想な存在。語尾に「モン」を付けて喋る。



ランピー

地球とは別の惑星、コブコブ星からやってきたプリンセス。紫色で綿あめのような風貌、額には星がついている。成人男性のように太い声帯だが多分女の子。コブコブ星で両親と喧嘩をし、家出をして来てウー大陸で暮らしている。そのため家がなくいつも野宿をしているホームレス。恋愛体質で夢見がち、癇癪持ちで頑固というかなり厄介なキャラクターだが、よく見ていると自己肯定感が高くネガティブな思考をポジティブな方向へ持っていくのが上手いなど、どこか憎めない。アイスキングが作った二次創作である「フィオナ&ケイク」の熱狂的なファン。



レディ・レイニーコーン

ジェイクの彼女であり、5児の母。胴が長いユニコーンの種族。作中でレディは韓国語を喋るが字幕がつかないため韓国語が分からないと彼女が何を話しているか一切知ることができない。バブルガムに忠誠心を持っている。犬族とユニコーン族は長きに渡り戦争をしていたため未だに偏見が残っており実はジェイクとの仲は禁断の恋だったりする。



こんな感じでしょうか。他にもここで書ききれなかった魅力的なキャラクターがまだまだ存在します。ぜひお気に入りのキャラを見つけてみてください。



新しいジャンルを開拓するのにはかなり体力を消耗しますよね、それでもその先で得られる新しい感性はきっと自分の人生を豊かにしてくれると思います。何かにハマれなくなったら今まで居た場所とは別の場所へ行ってみるのも手ではないでしょうか。きっとフィンとジェイクが冒険に連れて行ってくれますよ。


アドベンチャータイムはYouTubeの、「カートゥーンネットワーク公式チャンネル」で何話か本編を無料公開しているのでぜひ一度視聴してみてください。



おしまい
















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