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懐疑主義とFAKE IT

岡本太郎展に行ってきたよ。

祝日だったからかなり人が多かった。家族連れも多くて、怖い!!!もういい!!!と泣く子どもと、真剣にじっと見つめる子ども、「これって○○ってこと?」とすっかり美術館慣れしている子どもなど、子どものバリエーションも豊かだった。

わたしのオキニ《夜》。芸術運動団体「夜の会」の由来になっている。


前衛芸術家の展覧会に行くと、いかに自分が日々鈍感に生きているかを実感させられる。

「前衛芸術は常に最新でなければならない」と、自分の観念を疑い続け、価値観を打ち破る活動を生涯続ける。そのエネルギーは自分と同じ人間の中にあるとは想像もつかない莫大なものだと思いました。


岡本太郎の民俗学者としての一面にも興味を持ちました(わたしも土器や遺跡、民俗伝承が好き)。岡本太郎は、縄文土器からのインスピレーションにはじまり、日本各地でフィールドワークを積極的に行うことで日本の本来の姿を解き明かそうとしていました。その活動の根底には「自分はどこから来たのか?」と自分のルーツを問いかける探究心がある。

岩手花巻・鹿踊に影響されたという作品。角大師の魔除け(相席食堂で川北さんがやっていた)に似てる


自分のルーツはどこにある?答えのない虚しい問いかもしれないけれど、物事を「そういうもの」として決めつけずに絶えず考え続けるところに、人生の豊かさが生まれるんじゃないかな、と思っています。
哲学者のモンテーニュもそんなようなことを言っていた気がする。懐疑主義というやつ。

"Que sais-je?"
(私は何を知っているだろうか?)
ミシェル・ド・モンテーニュ『エセー』

見習いたい謙虚さ。


それから、今日の展覧会は最近本で読んだ鑑賞法を参考に、時間をかけてじっくり鑑賞してみました。

ジャケ買いして積読になっていた本。休日の喫茶店のお供に、数ページずつ読まれている。
1.この作品で描かれているモチーフの形(フォルム)を目で追う。
2.作品を構成する各要素に注目し、それらがお互いにどのように関連しているかを考える。
3.小さくなった自分が、その作品の世界の中に入り込んだらと想像する。
ロジャー・マクドナルド『DEEP LOOKING』


モチーフの形を目で追い、作品全体で、それから部分で注目して、その関連や対比を楽しむ。
この方法が特に岡本太郎の作品では、絵の中に対比的な物をあえて描き混沌をもたらす作風にマッチしてとても面白かったです。
布と棒とか、陰影のある色遣いとべったりとした黒い線とか、有機物と無機物(根っこの生えたネギ!と歯車)とか。

ネギ。しかも2本。《重工業》


美術館で作品をゆったりと鑑賞する余裕のあるときはいつも、特に絵画では、わたしはまず真正面に立って絵と対峙します。絵に圧倒されに行くんです。これは図録ではできない。

生で作品を体験することは、デジタルで見るよりも自分に強く影響をもたらしますが、この強さの要因として「大きさ(または小ささ)」ってありますよね。


モナリザ思ってたより小さいな、とか。

絵画に限らず、フェスで爆音で聞いたZAZEN BOYZの迫力すごかったな、とか。

どんぐりたけしは思ってた3倍声デカかったな、とか。

大鶴肥満は前の方の席にいると何回見ても大きくてびっくりしちゃうな、とか。



このお腹でもシワがよらないのはどういうテクノロジーなの?サイズがぴったり合ってたらこうなるものなのかしらYシャツって。


真面目に美術館行った話をしてたはずなのに気づいたらK-PROライブの話になっていた。これは非常にまーごめ。

そう、地元にK-PROライブが来たので見に行きました。クロコップを見るためにチケットを取ったらR-1決勝直前のサツマカワRPGが追加された。ラッキーと言わざるを得ない。ネタはだるまさんがころんだをやり、コーナーの大喜利で活躍していました。
間の長いネタを劇場で見ると、観客がサツマカワさんの挙動ひとつひとつや表情の移り変わりに集中するのがわかって面白いよね。


このかっこいいパネルを名古屋に持ってきてくれて本当にありがとう。去年の4月振りにスマホのロック画面を更新したよ。幸せ幸せ!


記事書いているうちに書きたいことがすっかりすり替わっちゃった。そういうこともある。1記事に1話題なんて決まりは無い。ルールに囚われない。モンテーニュ先生もそう言ってた。



応援している芸人が天才的に面白いために私は幸せだ!ライブ見て楽しかった〜仕事がんばろ〜と気合十分になるので、もしかしたらこちらの方が応援されているのかもしれない!そしたらこちらが応援し足りないじゃないか!どうしよう!また手紙を書くしかないか!

出囃子をずっと聞いてる!中田ヤスタカも天才!

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