記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

2022 映画始めは『Dear Evan Hansen』

昨年末は31日まで仕事、元旦〜4日までのお正月休みをいかに有意義に過ごそうかと考えていた。
色々と考えた結果、自分時間にできそうなのは1日くらいなので1番行きたかった土浦セントラルシネマズは断念、『Dear Evan Hansen』を観ることにした。

2016年オフ・ブロードウェイでこの作品を観劇した春馬が魅了され、いつか演じてみたいと語っていた作品の映画化である。
そして2020.1月にシンシア・エリヴォとのコンサートでは『 Waving Through A Window』を熱唱。

私は一度観たくらいでは多くを読み取れないので、事前に作品に対するコメントなど割と読んでしまっている。
そんな中にはどうして?何故?など少しマイナスな考察もあったりした。
でも事前に聴いていたベン・プラットの歌唱が素晴らしく、スクリーンで観られることが楽しみだった。

はじまりは「1通の手紙」と思いやりの「嘘」だった。
ストーリーは想像以上に入りやすかった。
誰にも心を開かれずにいるエヴァン
エヴァンの心の声を綴った手紙を持ち去り、自ら命を絶ったコナー
コナー基金の先頭に立ち、正義感の強いリーダーのように振る舞うアラナ
みんな孤独を抱え自分の居場所を探しているような、存在価値を求めているように見えた。

コナーの死を受け入れられず、エヴァンを唯一の友達だと思い暖かく迎え入れるコナーの母シンシア
エヴァンが密かに想いを寄せていたコナーの妹ゾーイ
エヴァンを心配するあまり口うるさく、過保護?に見えた母ハイディ
みんなエヴァンの嘘がバレてからも突き放すのではなく、彼の孤独や寂しさを理解し悪意の嘘ではないと寄り添ってくれた。

エヴァンにとって嘘をついたことで得たコナーの家族との時間は居心地が良く、まるで現実のようにすり替わってしまったのかな。
自分のついた嘘を正当化していくうちに、あたかも嘘なんて言ってなかったのでは?という錯覚に陥ることってあると思う。
でも自分の愚かさに気づき、謝り、冷たくあしらわれても何とかしようとコナーの真意を探すエヴァン。

ストーリーの中で目立つのはソーシャルメディア、SNSだ。
良いことも悪いことも、真実も嘘も、全てが拡散されてしまうソーシャルメディアやSNS。
おかげで私自身も知り得ない情報を目にすることができたり、知りたくない事を見てしまうこともある。
便利と不便、善と悪は常に隣り合わせなのだ。
映画を観終わって改めてソーシャルメディアとの付き合い方について深く考えさせられた。

エヴァンは最終的には傷つくばかりではなく、新しい一歩を踏み出すことができたけれど、現実はもっと厳しいであろう。
それでもやっぱり春馬が言っていたように、叩くだけ叩くのでは無く立ち直る言葉を紡ぎ出すことのできる人間でありたいと思う。
この舞台を観ていつか演じてみたいと言っていた春馬にはこんな気持ちが通ずる部分もあったからかな?と感じた。
そしてエヴァンは高校生役だから、日本で上演する頃はもう自分はムリかなーなんてこと言ってた記事を読んだけど、朝ドラで深津絵里さんやオダギリジョーさんが18歳の役をなんなく演じてらっしゃるのを見て、「春馬まだまだイケたのに!!」と少し寂しくなってしまった。

と、結局纏まらない感想でしたが、何よりも感銘したのはベン・プラットの歌声!!

アカデミー賞®・グラミー賞®・トニー賞®を受賞した『ラ・ラ・ランド』『グレイテスト・ショーマン』の名コンビ、ベンジ・パセック&ジャスティン・ポール。映画版のために書き下ろした新曲も必聴。

本当に心が揺さぶられる楽曲ばかりで、「Waving Through A Window」が流れ出した瞬間にグッと引き込まれてしまった。
ベン・プラットの透明感のあるキレの良いリズミカルな歌声からは優しくて力強い春馬の歌唱が想像でき、泣けた。
The Tonight Showでの歌唱はより躍動的で素敵だった。
エヴァンとコナーの思い出を振り返りながら歌う「For Forever」が流れる頃には溢れる涙を止めることができなかった。
優しく語りかけるように始まり、少し裏声のハイトーンになるところなどやはり春馬が歌ったら…と想像できた。
映画は孤独や疎外感を感じ生きづらい社会であったり、ソーシャルメディアの怖さだったりと重たい題材であったけれど、ミュージカルを観たような高揚感が残るとても不思議な気分だった。

**********

この映画を観て改めてFNS歌謡祭で「キンキーブーツ」を見た時なぜすぐにチケットを取らなかったのか、シンシア・エリヴォとのコンサートになぜ行かなかったのかと悔やんでならない。
当時はもう少し色々と落ち着いたらで良いや、また今度でと…
また今度がなくなるなんて思いもしなかった。

今は少しずつだけれど、やりたいことは無理しても実行しよう!と心がけている。
今年の目標は土浦セントラルシネマズに行くことだ。