パンチラインの話。

昨日は珍しく体調を崩して悪寒がひどかった。加えて家が寒すぎるので喫茶店へ暖を取りに行く。一人カラオケに行きたい気持ちをグッと押さえて、横を通り過ぎるようにして。一人カラオケとは縁のない人間だと思っていたんだけど、ここ半年は驚くくらい通っていて、一人カラオケを歌わせたら圧倒的な一人感を出せている一人だと思う。今住んでいる近隣に音楽スタジオがない、というのも関係している。音楽スタジオがあれば、個人練習という借り方をしてギターを弾いたり歌の練習をしたり発声練習をしたりできていたのだけど、そういうわーっと叫ぶスペースが今の環境ではカラオケしかないのだ。ほっといてくれるなら公園でわーってやりたいくらいだけど。で、一人カラオケに通ってみてわかったのは、最近の歌をほとんど歌えないことだ。小耳に挟むことはあっても歌うぐらい音階をちゃんと聞いて声に出すまでに覚えることがこのところほとんどなかったわけで。加えて僕はあの、ポストロックやらエレクトロニカやら洋楽ラップミュージックやらにぐいぐい心を引っ張られてしまうタイプで、「歌詞云々じゃないんだよね」とか思ってしまうところもあり。30代はほとんど今挙げたジャンルの音楽と、女性ボーカルのバンド、アニソン、アイドルを聞いていたので、ほんっとうに自分が歌う用の曲なんてほとんど知りませんですの。だから、当初、カラオケで歌っていたのは、ほとんど20代の頃に好きだったメロコアバンドやメロディックパンクバンドとか、わーわーがなる系。のど疲れちゃう。チクチクしてくるからさすがにちょっとね、もうちょっと考えましょうかってことで、定額制音楽サービスでチェック。毎週聞いてはいたものの歌詞まで見ることがなかったあのバンドこのバンドをちょこちょこチェックするようになりました。定額制サービスでもちゃんと歌詞が出るというのも驚きなんだけど、もっと驚いたのはその日本語詞のよさ。驚いてしまった。

で、そこまで書くならこの後具体例を挙げるのが真のブロガーだと思うんだけど、気が向いたらまた書きます。書いたときにきっと真のブロガーになれるはずでしょう。

喫茶店では悪寒を覚えながらドリップコーヒーを飲み、健康な頃の僕なら絶対に思っていただろう、「そんなに体調悪いなら家帰って養生してよ」というぐらいの様子の人になって、暖を取っていた。街では見たいお芝居が山ほどやっている。繋がらない連絡もたくさんあって、SNSでは時々そういう人が発信しているのを目にする。繋がっているつもりになっているだけなのかも知れない。最近何だか怒ってしまうことが数回あり、だから自分ダメだ〜と思って手にした本では、「変化は受け容れたほうがいい」といったようなことが書いてあった。そうだよなあ。変化をたのしめるようになった方がねきっと。何より今40。これからの体の変化はきっとこれまでとは違うものだろうし、戸惑うことも多かろう。受け容れてたのしめたらいいなあ。

悪寒をコーヒーで流し込んだ気になりながら、山田太一「早春スケッチブック」を今日もまた1話数分読む。パンチラインだらけやんけ……。悪寒と重なってタチ悪いわ……とおののくのでした。はよ回復させます。

いただいたサポートは、活動のために反映させていただきます。 どうぞよろしくお願いいたします。 ほそかわようへい/演劇カンパニー ほろびて 主宰/劇作、演出/俳優/アニメライター