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火曜日連載『あらたま流きもの雑記』 7月13日 余裕があるから装えるし、装うために余裕を取り戻す

 初めましての方、ようこそいらっしゃいました。
 二度目以上お運びの方、本日もありがとうございます。
 こんにちは、あらたまです。

『あらたま流きもの雑記』とは――
 火曜日と水曜日の連載で、きもの文化検定2級ホルダーのあらたまが普段着きもの生活についてアーデモナイコーデモナイと書き散らかします。
 主に普段きもの一式の紹介と解説、少々のお出かけレポートをお届けします。そして、火曜日は私がきものに思う事等のエッセイが、水曜日はきもの生活tipsやお寄せいただいた質問への回答が、それぞれミニコーナーとして付いています。
 ・いわゆる『映え』なきものの御提案は無いと思います。
 ・きものを着た可愛いポージングの女性は出てきません。
 ・きもので行くべき映えスポット!の御提案もありません。
 きものを普段着にしているといっても、洋服を着る日だってありますし、和の習い事経験は皆無です。
 大雑把な性格で、かなり雑な暮らしぶりのオバチャンのきもの生活の一端をお見せすることで、きもの生活のハードルが多少低くなり、きものを始めたい方の勇気に繋がることを願っております。

 気が付けば一ヶ月ほどの御無沙汰です。
 書き物というか、一つの事に心身丸ごとで向き合うと寝食を忘れてしまいがちです。こればっかりは、何度怒られても、治そうと思っても、改善できない悪癖です。
 自分を律することはここ最近の課題になってますので、寝る時間と起きる時間はなるべく守りましたけども、それでも暮らしの中のアレヤコレヤがおざなりになりました。
 そんなこんなで、二冊目の電子書籍です(只今、新刊きゃんぺーん中。宣伝、ご容赦くださいませ)。

 一つ作品を送り出したら、今度は自分自身の番。
 書き物だけでなく、己にも手を掛けて労わることで、延いては次の作品が育つ土壌が豊かになると信じつつ……さて、楽しく普段着きものを着ちゃおうか!

本日ご紹介の一式

 先日、思い切ってみまして。
 夏着物を一枚お迎えしたのです。

 栃尾ちぢみ、リアルウサギ半幅帯

 栃尾ちぢみという織物、こちらの夏着物と御縁が繋がるまで、まったく存じませんでした。まだまだ勉強不足です、はい。
 生地は綿と麻とポリの混紡とのことで、軽くてふんわり、肌当たりがサラッとしています。羽織った時にトロン……と落ちるような、夏着物らしからぬ寄り添い感も堪らんです。

 夏は薄物の出番です。
 薄物って蝉とか蜻蛉とかの羽みたいに、掲げると向こうの景色が見えちゃうような生地で仕立てた、真夏だけに着るきものを指します。
 ところが、ところが。私は何故だか薄物が苦手なんです。下から透けて見える襦袢の柄を楽しむのもまた素敵……という感覚がちょっと理解できないタイプ。だからぎゅっと目の詰まった木綿の浴衣地ばっかり着るし、綿麻の平織りで極力透けないのを選んで、夏用の単衣に仕立ててもらったりしてきました。
 こちらの栃尾ちぢみさんは、私が抱える透け感問題も見事にクリア。生地はかなり薄手ではありますけども、着た後はあまり透け感が気になりません。
 この夏、相当な活躍を期待しちゃう一枚です。

私と浴衣の付き合い方

  夏のカジュアル御洒落着としてすっかり世に馴染んだ浴衣
 私の場合、日頃から御部屋着や「ちょっとコンビニ行ってくる……」着にしてしまってる手前、お出かけ用に浴衣を浴衣として着付けること(肌着に浴衣、半幅帯)が少々気恥ずかしくなってきています。

 いつだったかな、馴染みのきもの屋さんにこっそり相談したことがありました。
 「なんかさ、こういうこと言うと偉そうな感じで自分でも嫌なんだけど……半衿もしくはシャツとかパーカーで衿元にワンクッション置かないと、なんだか気恥ずかしくてお出かけできないのよ。肌着に浴衣だけだとスース―しすぎてなんか不安」
 そしたらね?
 「それはね、たまさん……たまさんがきものを着ながら年を取ったってことです」
 なんですってええええええ!?
 つまりね、きものが生活の一部として、おつりがくるほど馴染んだってことなんだそうですよ(あくまでもきもの屋さんの御意見)。

 聞けば店員さん方の中でも、浴衣の下に美容衿や半襦袢を付けないと落ち着かない方がいらっしゃるんだとか。
 「私たちは接客業だからきちんと感を出したいってのもあります。でも私個人としては……ミニスカート並みに露出してるみたいで気恥ずかしいんです。たかだか衿元数センチの事なんですけど、そういう『意識』が根付いてるってことは、きものでの現代生活が体に染みついてるってことじゃないでしょうか」
 上手く伝わってなかったらゴメンナサイと仰っていたけれど、私には納得のいくお話でした。

 ここからは、普段着の一選択肢としてきものがある、私の考え方です。

 夏の御洒落着として浴衣が定着したことは大変に喜ばしいと思います。きもの着てみたい!という希望を叶えるには最適です。
 『その、浴衣は湯帷子として云々……』
 この手の話は知識として、頭の片隅に置いとけばいいのでは?とか考えちゃうんですよ。だって、どアタマで言ってるじゃないですか「その昔」って。
 昔は昔、今は今。
 お洒落の基準も人生の楽しみ方も私たちは現代という尺度のなかで生きているのですから、今の私たちの装い方を楽しめばいいのじゃないでしょうかね。
 でね、そこを踏まえて
 私自身、自分の楽しみたいようにきものを楽しんだ結果――お洋服生活の中にきものを落とし込むように、素材や色やその装い方をアーデモナイコーデモナイやった、その結果――私はいつの間にか「浴衣を浴衣として着ること」が露出度の高いお洋服を着ることと同義になってしまっていたのでした。
 露出度って言っても、ビキニの水着ほどじゃないんですよ?なんていうのかなあ……ノースリーブで、背中がグーっと開いていて、リゾートでバカンス中なお姉さん方が着るような……あ、キャミソールワンピースが一番イメージ近いかな。
 大胆なプリント柄とか楽しいキャミソールワンピースですが、私はねえ、二の腕を隠す羽織り物とか下に一枚カットソーを着ておくとかしたいんですよ……脂身たっぷりのワガママボディってやつなので。

 この感覚、伝わるかなあ。
 伝わって欲しいなあ。
 そしてキャミソールワンピース一枚で勝負できるマインドな方はどんどん浴衣を浴衣として着てお出かけして欲しい!
 私というオバチャンは、白カットソーならぬ半襦袢の助けを今年の夏も借りることにします(悲哀)。

いかがでしたか

 お久しぶりでモリモリ書きすぎた感じもします。
 なので〆はシンプルにいきましょうか。
 みんなで浴衣を着ましょう!
 おうちの中だっていいのです、気分だけでもいいのです、シンプルに夏を楽しみましょう。


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