【一本目:私と奴と浅草の怪しきこと】『いま、なんどきだい』【第七回:一本目のお話これにて幕引き】
<七~隅田の風は二本目へ~>
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街中華でタンメンを食うという嫌がらせをもって死者への手向けとし、永遠の決別を図らんとする野望は潰えたが、これはこれで悪くは無いなと観念しつつプラ容器を懐に入れた。
空腹は峠を越え、もはや腹が減っているのか悟りを開いたのかさえ分からなくなっていて、私は女将の最後の忠告に従うまでもなく、路地を抜けるまではただひたすらに歩くに努めた。
紅い闇が濃密な湿り気を帯びてき