Ord10まで行った今こそ振り返り!~Ord4編~

この章は「データドリブンな組織」が理想にあって、特にTableauにおいてどうか、という視点です。Tableau利活用が進んでいない立場からするとなかなかイメージしにくい章でした(だからまぁ、Saberになって利活用を進めようよって話なのですがそれはさておき)。

そして、Ord1~Ord3までは設問ごとの解説を書いていたのですが、本章でそれをやってしまうと回答をまるっと書くことに等しいので、失格になりたくないのでそれはしません。あくまで自身の理解の促進のためのまとめ記事的な書き方にします。

ファイル形式でレポートを共有するデメリット・リスク

レポートを共有する方法はいくつかあります。たとえばExcelやスプレッドシートで分析したらそのファイルを添付したりURLを共有したりします。
Tableauでも、ワークブックを拡張子twbxにしてファイル共有ができます。
(tbxとtwbxの違いはこちらの記事が参考になります)

特にtwbxは先方がTableauライセンスがなくてもReaderで見れるなどメリットもありますが、こうしたファイル共有だと、データソースから切り離され、共有した時点の断面でデータを渡すことになります。これにより、
1. データの更新をかけられなくなります。
2. 
ファイルごとにデータがバラけるので、データを一元管理できず見る人によっては古いデータを見られる事故が発生するリスクがあります
3. twbxは特に、データと分析結果を一緒にパッケージ化して渡すので、中に機密データが入っていれば、それをまだ外部に回されるなどデータ流出リスクがあります

Tableau Server/Cloud(Online)で出来ること

twbxなど、ファイル形式で共有することにはいくつかデメリットやリスクがあることをお伝えしました。一方、Tableau Server/Cloudの機能を使った共有では、ファイル共有では得られないメリットがあります。
上記で上げたファイル共有とのメリデメ対比です。

他にもTableau  Server/Cloudならではの機能があります。

いくつかは他のクラウドストレージでの共有機能で目にする機能に近いかと思います。

  1. Tableau上のアプリケーションなので、ユーザー個別の条件を記憶して、ダッシュボードをカスタマイズできる(詳細

  2. メールで、定期的にVizを関係者に共有することができる(詳細

  3. データがしきい値に達すると、自動的にユーザーが指定したメンバーにメール通知を送信する(詳細

  4. データを見たTableau Server/Cloudユーザーが、データを見てのコメントをメンションを付けて残すことができる(詳細

  5. Web上でもDesktopのように編集できる(詳細

  6. 外部WebサービスにTableauビューを埋め込むことができる(詳細

  7. スマホやタブレットにも対応している(詳細

  8. データカタログを有効にすることでデータの検索性やアクセシビリティを向上させられる(詳細

  9. ログインしたユーザーがアクセスするTableauサイトの中からお勧めのビューを表示させる(詳細

Tableau Server/Cloudではデータ管理についての機能も優秀です。

  1. それぞれ必要なタイミングでデータを利用でき、また、パブリッシュしたデータソース自体にもパーミッション設定できる(元データの認証資格情報も埋め込める)

  2. データソースを含め、コンテンツの所有者(≒管理者)を画面上で簡単に確認できる。

  3. 直接データベースへアクセスせずとも、メタデータを確認できる(詳細

  4. データを見ることでどこからパブリッシュされたのか、どのようなデータかを見ることができる

Tableau Server/Cloudを使うことでデータドリブンな組織化が進みます!

  1. プロジェクトメンバーが同じ集計結果やVizを見ることになるので、背景共有が要らず、ナレッジや感じたことなど各々のリソースがシェアしやすくなります

  2. Tableau Server/Cloudに集まってデータを見て分析を進めることが当たり前になってきます。

なぜ、自分で分析できることが良いのか

データ分析を代行してもらうことももちろん可能ですが、自分で分析できる方がより良いシーンもあります。

  1. 分析時に課題が明確でない場合があります。自ら手を動かしていく内に、操作や見せ方もそうですが、抱える課題を自らの経験として深く理解することができます(思考のフローに乗り始めます)。これがフワッとしたまま代行依頼すると、依頼先からほしかった結果が返ってこないかもしれません。あるいは、代行者の分析を聞いてもいまいち腑に落ちないかもしれません。

  2. 自分で分析できることで、次から次へと気になるポイントをスピーディに分析できます。そして自ら結果を見て判断ができます。代行するとどうしても相手待ちにもなりますし、結果を見て判断するタイミングが遅れてしまうかもしれません。

上記のように、自ら分析せずに外部や一部のメンバーに分析を依頼することで、起こる以下の一連の負を「レポートファクトリー」と呼びます。
・他人に分析やレポーティングを依頼して作ってもらっている状態
・レポート作成依頼受託側が、過剰な依頼数に忙殺されて分析結果を依頼元に返すことができない状態
・分析結果を待っている間に分析結果が要らなくなる状態。

データを見ないとどうなる?データを見るとどうなる?

Tableau Server/Cloudのライセンス体系と役割について

Creator ⇒ 常に新たな視点での質問を持ち、創造する。周囲の人のために有用な世界を創り上げることができる人。

<Creatorの素質>
・常に物事は自身のアイディアでよりよくすることができると信じる人
・自身で課題を見つけることができる人
・データを通して世界を知ることができる人

出典:https://youtu.be/S-Titt1xLGw

Explorer ⇒ 常に探求心を忘れず、世界のことを知りたいと思い続ける好奇心を持つ人。

出典:https://youtu.be/S-Titt1xLGw

<Exploreの素質>
・好奇心旺盛な人
・課題を読み解き、ともに解決法を探っていくことができる人

Viewer ⇒ 美しい数々のViewを見て心を動かし、実際の世界でアクションしていく人々(ただ見るだけの人ではない!)。Creator、Explorer以外の残りの人々が当てはまる。

出典:https://youtu.be/S-Titt1xLGw

全ての人がデータを見て理解することで生まれる効果

データという客観的な事実を、それぞれの役割、立場から見ることで様々な視点から意見が得られ、より良い・新しいアイディアが生まれることが期待できます。また、同じものをみて話すことになるので、コンセンサスが得やすいのもメリットですね。

データを同じ場所で管理する必要があるのはなぜか

見たいデータソースが点在していると、ものによってはバージョンが古かったりなどでお互いに見ているデータが一致しなくなってしまいます。
こうした状況を見ていると、相手の話している内容も「違うデータを見ているのではないか・・?」と不安になり、お互い信頼した中での話ができなくなってしまいます。
また、点在するデータを探すこと自体にも時間を取られてしまうことになり、煩わしさからデータを見た判断をする文化醸成の妨げになります。

最後に・・・

データドリブンな組織を創り上げるには、結局ベースとして組織のメンバーそれぞれが一定以上のデータリテラシーを持っている必要があります。もちろんそのレベルに違いが生じるのは問題ありません。異なるスキルを持った人々が、それぞれの役割や立場から自分に合った仕事で力を発揮する組織が理想的です。すべての人がデータを活用するプラットフォーム上にある組織とは、そういう組織のことです。


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