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“得体の知れない”

今日、いかにもお偉いさんなお客が来た。

紺色のスーツに光るよく分からない徽章の数々。
ワインレッドのネクタイには洒落たピンが目立っている。
とても上品な雰囲気で、顔つきは朗らかだった。

けれど、眼鏡越しに見えたにこやかな目だけはほんの少しだけ怖かった。

その不思議な黒目を見ていると、なんだか私の芯、素質、才能、そして限界までを吟味、品定めをされているような感覚に襲われた。

早々に目を逸らす。

あの人は、どんな人生を生きてきたんだろうか。


読んでくれてありがとうございます。
たまにこんなとき、ありますよね。

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