【ファッション誌レポ #3 】MORE 2022年1月号

ターゲット：20代～アラサー女性
内容            ：ファッション、コスメ、ライフスタイル

◆総括：

コーディネートの知識がたくさん乗っていて勉強になる内容だった。ただし、実際に自分で着てみて初めてそのコーディネートが自分にマッチするか否かが分かる側面もあるので、読者には実際に試してみるところまでやってほしい。
また、コスメやライフスタイル、中の人の感性にフォーカスした企画など、ページをめくるたびに企画が変わり飽きが来ない構成となっている。
モデルさんの年齢層が幅広く、社会人数年目以降の「今は仕事を頑張りたい！」というマインドの、個人的な消費が可能な経済力のある女性がターゲットのように感じた。

・p11：スタイリストの今月のお買取リスト

クラッシィに続きこちらでも雑誌の中の人の感性にフォーカスを当てた特集。センスというのは抽象的な事柄なぶん”誰が選んだ”の影響力が高い。

・p12-13：のぼり坂コスメ

ターゲット年代を"のぼり坂OL"とキャッチーに表現している。先頭の商品は100％自然由来で「SDGsへの意識が高まる今ー」から始まる。社会情勢を意識していることを強調した文面や商品セレクトから、キャリアウーマンがメインターゲットのように思う。

・p14-19：冬のジュエリー特集

序盤はティファニーやディオールなどラグジュアリーブランドを魅力的に魅せる構図。後半は手軽に手が届く価格帯。コーディネートというよりは物撮りでの紹介。「一年を頑張った自分へのご褒美にいかが？」といった感じの印象。

・p22-25：ロエベ特集

本多翼さんやその他ロエベ愛用者のコメントと一緒に、定番から新作までのバッグや小物を紹介。物欲が刺激される。
このページはロエベが広告費を払って掲載しているのだろうか？それともロエベを載せることで出版社と読者の間に需要供給が成り立っているのだろうか？    ブランドと出版社のお金の流れが気になる。

・p26-33：1アイテム×5着回し特集

どの場面にどのアイテムをプラスすることで印象を変化させられるかが分かりやすく掲載されている。多少現実味の無いコーディネートもあるが、要点を抑えて自宅にある洋服で実際に試してみることで「なるほど」と学びがありそう。
p30のジャンパースカートの5パターンは、大面積を占める黒のジャンパースカートに対してどのように差し色と小物を足し引きするかが学べて面白い。
p32のグレーデニムは、カジュアルなデニムというアイテムかつ、くすんだ色味のため、基本的には白ソックスで清潔感を担保する必要性があることが分かる。

・p34-41：骨格、パーソナルカラー解説

洋服選びの指針の一つとして有効だと感じるが、そこを重視しすぎるとコーディネートがはちゃめちゃになるので盲信的に頼りすぎないよう注意が必要。

・p42-50：「長く確実に使えるモノが欲しいならロングランバリュー」

モデルさんの年齢がグッと下がり少し驚いた。
高価格帯だがベーシックで長く使えるアイテムを特集する分、「20代でもこうすれば着られる」というコーディネートが紹介されている。

・p72-80：諭吉スゴITEM

1万円以内で購入できるさまざまな商品の紹介。こちらもモアモデルの感性にフォーカスした内容。
理屈スタートではなくモデルの感性スタートの企画なので、ファッション・コスメ・ライフスタイルなどジャンルさまざまな物が縦横無尽に並んでも読めてしまう。

・p82-87：日向坂46モデル3名の特集

正直この雑誌のターゲットに需要があるのか？と一瞬思ったが、男性目線を意識する場合の参考になるのかもしれない。

・p96-99：フルラ特集

フルラのバッグなどの特集。やはりお金がどちらからどちらに動いているのかが気になる。

・p117-131：占い

かなりのページ数ある。雑誌の分厚さを増す目的もあるのだろうか？

・p134-137：ジェラピケ特集

パジャマで特集が組めるという女性寝巻きのバリエーションの豊富さは個人的に羨ましい。上下服に靴下までセット販売されているものやワンピースタイプまでさまざま。

・p144,145：コツコツSDGs

食品ロス削減に役立つメニューの解説。読者の意識の高さが窺える。

・p148-158：SEVENTEEN（韓国人男性アイドルグループ）特集

僕はあまり詳しくないが、このページ数には読者にとって価値があるのだろうと思う。日本人アイドルグループにはまだメイクの習慣や文化はあまり無いと思うが、このグループは全員きっちりとメイクをしているため、男女を意識したアイドル的な話の展開以外にもメイクという女性に親和性の高い展開に持っていくこともできるのは強みだろうと思う。