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【ファッション誌レポ #5 】LEE 2022年1月号

ターゲット:30代後半女性
内容            :ファッション、コスメ、ライフスタイル

◆総括:

一つ一つのアイテムやコーディネートを丁寧に取り上げている印象で学びが多い内容となっている。ターゲットが30代後半とのことだが、大人っぽい印象の服装をしたい20代の人でも大いに参考になるだろう。
名品特集ということもあり、ベーシックで歴史のあるアイテムを取り上げている場面が多い。やはり歴史のあるアイテムとなると、起源としては男性の服として生まれた靴やジーンズ、ジャケットも多く、メンズライクな印象のものをいかに違和感なく取り入れるかを学ぶには良い内容となっている。
年末年始のお料理レシピページや大掃除ページなどのボリュームも多く、ファッション以外の部分も読み応えのある内容となっている(が考察はしていません)。

◆変更点:

#1~#4までは雑誌全体の考察をしていましたがなかなかに体力を使い長続きしなさそうなので、コスメやライフスタイルページは飛ばして僕が比較的得意なファッションの部分のみ考察していきます。

・p10-17:「2022年、今再び「カジュアル名品」の出番です!!」

p12、L.L.Beanのトートバッグを使ったコーディネート。トラッドなハウンドトゥースチェックのジャケットとマッドなダークブラウンのスカートに合わせているが、これは実用化が難しいコーディネート。袖捲りをして初めてカジュアル感が出せているが、季節的に寒くて袖捲りできないことを考えると、服装とトートバッグとの違和感がすごいことになる。

p13、Levi'sのジーンズ。グレーのニットと合わせて全体的に中間色のゆるい合わせ方だが、ヒールのあるベージュのパンプスで上品な印象を付与している。ジーンズのブルーとも相性のいいベージュのパンプスは、上に羽織るトレンチコートとも色味を合わせている。(モデルさんが着用している黒のハットはおすすめしない。)

p16、コンバースのハイカットスニーカー。30代男女どちらが履いても子供っぽい印象になる可能性を感じるが、ボトムがセンタープリーツのあるスラックスのようなデザインで大人っぽさがありバランスがとられている。ただし、スーツスラックスと同じ裾丈だとあまりにフォーマルな印象でチグハグなので、アンクル丈に短くすることで調子している。

p17、女性のボタンダウンシャツの着こなしとしてアウター感覚でタートルネックと合わせるのは素敵だなと思う。すこし野趣というかヴィンテージな印象もあるが、白シャツなので清潔感も保てている。

・p18-21:「フレンチカジュアルな「黒名品」があれば」

p18、ベーシックな黒の丸首カーディガン。下手をすると畏まった印象を与えかねないアイテムだが、白いタートルネックのカットソー、ライトベージュのワイドパンツと合わせてコントラストのあるモードな印象にしている。髪型がフワッとナチュラルなのも印象を和らげている。

p20、黒のバレーシューズ。ワイドなシルエットのジーンズと合わせてカジュアルさを引き締める役割として活用している。ローカットスニーカーよりはどこか上品で、ローファーよりはかしこまって見えないバレーシューズは使い勝手が良さそうだなと思う。

・p26:ストレートのリジットデニム着こなし
仕事、買い物、アウトドアの3パターンで同じデニムの紹介がされている。デニムはそもそも労働者の作業着なので仕事場に着用するのは少し難しいが、こちらはセンタープリーツが入ったデザインなので紛れ込めそう(ただし女性に限る)。
仕事着としての着こなしは、ジーンズの色と合わせた紺のブラウス、紺のジャケット。社内の人だけのオフィスカジュアルなら十分きっちりと見える。ブラウスがライトブルーや白になるとカジュアルさが増して厳しいかもしれない。
アウトドアの着こなしではキルティングコートと合わせている。コートの色が一般的なカーキだとアウトドア感が強まる。着用しているモデルさんが清楚な印象の方なのでギャップが大きすぎることになりそうだが、少し淡く青みの強いグリーンでカジュアルな印象を抑えている。

・p34-37:黒髪ショートカットのモデルさんの着こなし

ボーイッシュでスポーティーな印象の髪型な分、キャップやレザー素材、メンズライクなコートとの相性が良い。ただしメンズライクに振り切ることなく、ギャザーのあるワンピースや、女性的な印象のサテンやテンセル素材のアイテムと合わせて両性の調和を計っているように見える。
メイクは眉がはっきりと描かれていてキリッとした印象があるが、アイホールや口紅がわりとはっきりと赤みがあり女性的な印象も保っている印象。

・p44-47:「「毎日ニット」でも自分に飽きない3ヶ月!」

ニットを12~2月までの長期間にどのように着こなすかという特集。取り上げられているニットはどれも冬場に着る厚地のものなので、重ね着の工夫が掲載されている。
12月はいかに「暑そう」「ちょっと早くない?」と思わせないかを意識している印象。首元を大きく見せて涼しそうに見せたり、ノーカラーの爽やかな白シャツなどと合わせている。
1月、2月は色や丈の相性が良いコートとツートップにし、他のアイテムでバランスを取ろうとしているのが窺えるが、企画に飽きさせないためか少し無理のある派手めなコーディネートもある。

・コスメ特集
・モデルさんインタビュー
・年末年始お料理レシピ特集
・大掃除特集

・p138-143:「デイリー名品Best8」

p138、外羽・ストレートチップのドレスシューズ。デザインはメンズシューズでカチッとした印象のため、チャコールグレーのソックスを弛ませてルーズな印象を付加している。これだけフォーマルな靴を履くと男性的な印象が非常に強くなるのでボトムはスカートが無難。企画内では3つの異なる色柄の生地を切り替えたデザインのプリーツスカートと合わせている。

p141、ノーカラーのライダースジャケット。牛革で前明きがダブルの本格的なデザインなだけあり、色味は黒よりも堅苦しくないグレージュを選んでいる。ボトムにはゆるいシルエットのスカート、靴はスタンスミスでライダースに引っ張られないようカジュアルな印象に持って行っている。

・p144-145:LEEオリジナルブランド特集

LEEのオンラインショップで販売をしているオリジナル商品の特集。雑誌発のブランドということで、それだけこのブランドの固定のファンがいることが窺えるが、セレクトブランドやファッション誌といったファッションブランドの情報が集結するセクターが自社ブランドをつくるということは、デザインの盗用という可能性も大いにあるため業界内ではあまり心地の良い行為ではない。

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