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踏み出してみて、得られた学びと抱負。

7月25日に発生したモーリシャス重油流出事故に伴い、支援金を募るクラウドファンディングを企画しました。
(前回の記事はこちら↓)

まず結論

今回のクラウドファンディングの結果としては目標金額未達に終わりました。

ですが、
ご支援くださった『皆さんの想いを現地に届けること』を新たな目的として再出発したいと考えています。

本記事では、プロジェクトを進める中で生まれた人との繋がり、僕自身の世界観や心境の変化、そして今後について書きたいと思います。

後半に、事故から数ヶ月経過したモーリシャスの現状、それを考慮した具体的な再出発の内容をお伝えさせていただきたいと思いますので、目次より適宜飛ばし読みしていただけると幸いです。

はじめに

プロジェクトの発足・拡散などにご協力を下さった皆様、興味を持ってページを訪問して下さった2500名を超える皆様、そして問題意識を持ちプロジェクトをご支援下さった220名の皆様に心より感謝いたします。
そして、結果としてプロジェクトを達成することができなかったこと、本当に申し訳なく思います。

今回このクラウドファンディングが未達に終わった最も大きな要因は、目標にした金額の高さだと考えています。
2000万円という金額が「個人で達成を目指すには、あまりに高する金額である」ということは、今でこそよく分かりますが、非常に強い危機感を持って動き始めた2ヶ月前の僕にとってはまったく疑問を持たない金額でした。

「考えが甘すぎる」「誰かに相談すべきだ」と言われれば間違いなくそうなのですが、そこまで考えが及ばないというのが2ヶ月前の僕であり、その経験をもとに同じことを繰り返さないというのが今の自分に出来ることだと考えています。

葛藤

プロジェクトを進めながら、内心いろいろな感情が入り乱れていました。

就職氷河期の今、求職中の身である自分が支援活動をしていて大丈夫何だろうか?
個人のSNSでたくさんプロジェクトの投稿をして、友人や知人に煙たがられないだろうか?
目標金額がものすごく高いことが分かってきたけれど、達成できなかった時に皆さんにどう思われるだろう、、、失望されないだろうか?
一方で、何としてでも2000万円を調達するということが、本質的な責任なのだろうか? 
僕の考えは「甘い」だろうか?「逃げ」だろうか?「無責任」だろうか?「いけないこと」だろうか?
このプロジェクト自体、事後の対処療法なのだろうか?もっとやるべきことがあるのではないか?

ご支援いただく金額、人数が増えるほどに、これまでの一歩踏み出さなかった頃の自分が後ろからたくさんの苦言を囁くようになりました。

一方で、そんな自分をメタ認知する自分もいました。

それほどまで客観をネガティブに意識するのはなぜ?意識することにどのような意味はあるの?
一歩踏み出した自分を不安にさせる方へと思考して、誰が得をするの?
相対的な責任感で自分を突き動かすプロセスを、未来の僕はどう思うだろう?

自問自答をしながら、自分の心に無理をさせない選択だけを選んで周知活動を行いました。

実際その活動規模に対し「達成するつもりが無いのではないか?」と思った方もいらっしゃったのではないかと思います。でも、これが僕にとっては持続可能な最大限の行動でした。

このプロジェクトを通して、「行動できなかった自分」から「行動した自分」へ変わることが出来たことをまず肯定してやることで、次の一歩を踏み出せるのだと今は考えています。

人との繋がり

とても嬉しいことに、今回の活動を通して新しい人との繋がりも生まれました。

僕と同様に、モーリシャスの事故や日本での報道の少なさに問題意識を持ち連絡をくれた方。現地に滞在していた経験があり、別ルートでの支援を考えていた方。水質汚染という観点で以前から国内で活動を行っていた人。

いくつものご縁が重なり、モーリシャスの支援について共に議論し行動をおこす有志のチームを結成することができました。

ご支援いただいた皆さんの想いを本質的な形で現地に届けるために、これからはチームとして次の一歩を踏み出していきます。

モーリシャスの現在

前回記事の冒頭で記載をした通り、今回のクラウドファンディングの目的はモーリシャスの環境・生態系の保護支援でした。

現在、海上に広がっていた重油の除去は完了し、専門家チームによって岩場やマングローブ林などの複雑で細かな部分の除去作業がなされており、人の手でも取りきることのできない部分に関しては、自然の浄化作用に任せるという方針が決定されています。

現地の環境保護団体にも世界各国からたくさんの支援金が集まっており、事故発生当初とは状況が変わりつつある今、モーリシャスで最もその支援を必要としているのは、厳しい生活を強いられている住民の方々だと捉えています。

もともと観光業が大きな収益源だったモーリシャスは、新型コロナウイルスの影響により大きな打撃を受けていました。そこに追い討ちを掛ける形で発生した今回の事故は、海岸での養殖業や海での漁を生業とする多くの住民の仕事を奪うこととなりました。また、事故により異臭が漂う地域では学校が臨時休校となり、日中仕事のため子供の面倒を見ることのできない家庭には大きな負担となっています。

そのため、僕が次に行う支援の対象は「事故により影響を受けた現地住民のみなさま」へと変更したいと考えています。

クラウドファンディンを通して今回のプロジェクトに託して下さった皆さんの想いしっかりと現地に届けるべく、新たな活動については随時報告SNSなどでお伝えをさせていただきますので、引き続き見守っていただけると嬉しく存じます。

Twitter:https://twitter.com/polychoron_jp

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