2017年度 東京学芸大学 A類学校教育選修 小論文 模範解答

オープンチャット「大学入試 小論文 対策相談室」



問Ⅰ
 小学校における学級担任制においては、教師はほぼ全教科に関する学習指導と生活指導を担当することになる。したがって、教師が、子どもたちの様々な姿に接することになり、子どもたちを多様な側面から理解し、評価することが可能になる点がメリットであると言える。というのも、ある教科の学習の成果がおもわしくなくても、別の教科の学習においてよい成果を示す児童に対して、教師は全体として彼らを肯定的に評価することができるからだ。それゆえ、子どもたちと教師との人間関係の確立や、児童に対するねばり強い指導の実現等に学級担任制が資すると言える。他方で、教師が一人で全教科を指導するために、授業の準備等に相当の労力を要する点が学級担任制のデメリットと言える。なぜなら、今日のように、学習指導要領の改訂のペースが速まっている場合には、数多くの教科の指導を抱えているのは、教師にとって大きな負担になるからだ。(389字)



問Ⅱ
 課題文では、小学校と中学校における学級担任の機能が異なり、小学校の学級担任に比べて、中学校の学級担任は生徒たちとの関係が希薄になることが述べられている。それゆえ、中学校に入ってから生徒がギャップを感じる大きな要因となっていると指摘されている。こうした現状を鑑みた場合、小学校高学年の生徒に対してどのような学級担任であることが望ましいだろうか。
 私は、生徒たちが中学校に進学後、上記のようなギャップを生じさせることがないように、以下のような取り組みを行う担任でありたいと考える。小学校高学年であれば、常に担任の指示を仰ぐことなく生徒たちが自ら判断する能力を備えていると考える。したがって、担任として必要最低限の指示や指導を行い、学校生活において生徒が自ら考え行動することができるように仕向けていく必要があると考える。なぜなら、担任が生徒に手取り足取り指示をしていては、生徒が担任に依存することを助長し、中学校におけるギャップを拡大することになると考えるからだ。また、中学校生活がどのようなものになるのか小学校の時点で指導し、生徒の自立を図りたいと考える。というのも、生徒に対して事前に中学校に入るうえでの心構えを諭すことによって、生徒たちも準備をすることができると考えるからだ。以上の取り組みによって、生徒たちの中一ギャップを予防することができる担任でありたいと考える。(583字)


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