2018 慶應義塾大学 経済学部 小論文 模範解答

オープンチャット「大学入試 小論文 対策相談室」


設問A
課題文の定義によれば、ホモエコノミクスは、自分の利得を最大化しようとする。しかし、Bは提案を拒否し、取得できるはずの2千円を得ることを放棄し、自分の利得を最大化する行動に出なかった。したがって、Bはホモエコノミクスではないと言える。また、再び、自分の利得を最大化しようとするのがホモエコノミクスであるという前提に立つ。ところが、Aは自身の利益の按分を9999円として自身の利得を最大化できたのにもかかわらず、そうはしなかった。それゆえ、Aがホモエコノミクスかどうかは、判定できない。(241字)



設問B
市場型社会におけるフェアな分配規範とは、「等しきものは等しく」という「市場の倫理」のことである。この規範が発生するのは、産業社会を生きるわれわれの期待があるからである。つまり、分配の分け手が規範を共有しているという期待である。また、フェアな分配規範が生じる条件として、市場経済の成熟が挙げられる。しかし、我が国においても、企業の利益追求の一方で人々の安全や安心がないがしろにされる事件が発生し、市場経済の根幹を揺るがしかねない問題が散見される。これらの問題は、企業における倫理意識の欠如に原因がある。したがって、企業のガバナンス強化や企業倫理教育の実施が、社会における仕組みとして必要だと考える。
(298字)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?