2017 横浜市立大学 国際教養学部 小論文模範解答

オープンチャット「大学入試 小論文 対策相談室」


(1)
民主主義においては、一定の知的能力を前提とする市民が構成メンバーとして意思決定に関与する。第三の種類の知は市民向けの政治的知識として、市民に対して民主主義を可能にする開かれた知のあり方をしているため。(100字)

(2)
専門知ないし専門家の側は、知識量などで市民の優位に立つものの、それは絶対的なものではない。また、専門家の責任が問われにくい問題もある。一方で、市民の側は、民主主義の担い手という意味で市民の常識が優先されるべきだと考えられる。しかし、市民の立場を絶対化し、熟議から科学を追放するならば、科学知のかわりに「怪しい」知識が市民の常識のなかに浸透してしまう。その結果、より大きなリスクを招くことになる。(197字)

(3)
特定の障害のためのバリアフリー化が他の障害のある人や障害のない人にとっての新しいバリアとなる問題が生まれている。たとえば、点字ブロックにより、車いす利用者が移動しにくくなり、それに高齢者がつまずくこともある。この問題が生じる背景には、異種の障害間での擦り合わせの機会が少なく、障害のない市民もそこに積極的に介入することが難しい点にある。障害者行政において、市民としてどのようにこの問題を解決するべきだろうか。今日、障害をテクノロジーで補助・代替することがある程度可能になってきている。したがって、工学の専門家の協力を得て、支援技術も活用することで、柔軟なバリアフリー社会の構築が可能になると考える。
(299字)

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