2018 東京学芸大学 A類家庭選修 B類家庭専攻 小論文 模範解答

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図からは、45歳を過ぎるとそれ以前の年代に比べ、交通事故死と家庭内における不慮の事故死の死亡数が千人単位にまで増加し、特に家庭内における不慮の事故死の死亡数は、倍以上に跳ね上がり、数千人に及ぶことがわかる。また、65歳以上になると、家庭内における不慮の事故死が交通事故死を非常に大きく上回るようになる。一方で、ゼロ歳児の家庭内における不慮の事故死が71件あり、乳幼児年齢の事故数において最も多いこともわかる。したがって、交通事故死と家庭内における不慮の事故死の特徴として、両者は年齢が高齢化すると多発するようになる点と、乳幼児時期には家庭内における不慮の事故死が生じていることが挙げられる。



表からわかるように、65歳以上の高齢者の家庭内における不慮の事故死の原因としては、溺死及び溺水、転倒・転落、その他の不慮の窒息の件数が数千件単位であり、他の事故に比べて圧倒的に多数を占めるという特徴が見られる。また、乳児の事故については、窒息によるものであることが顕著である。



 図表から家庭における事故を防止するためには、高齢者や乳児への対策を講じる必要があると判断できる。たとえば、高齢者の溺死及び溺水事故に対しては、浴槽で起きていることが予想される。したがって、高齢者の入浴については、デイサービスの利用やシャワーのみの利用をすすめることが、溺死や溺水を防ぐために有効だと考える。また、高齢者の家庭内での転倒・転落に対しては、手すりや転倒した場合のけがを防ぐための衝撃吸収用マットを設置することができると考える。さらに、窒息に対しては食べ物を細かく切り、のどを詰まらせることを防いだり、口や舌の体操等を行い、飲み込む力の強化を促すことができると考える。他方で、乳児の窒息についても、乳児が適切に摂取できるようなサイズに食べ物を切り分け与えることや、小さなおもちゃなどを誤飲してしまい窒息に至ることが考えられるため、口に入りそうなものは乳児から遠ざけておくことが必要だと考える。




食品ロスを減らす効果として、大きく3つの効果が考えられる。第一に、環境面における効果として、二酸化炭素排出量の削減を期待できる。なぜなら、食品ロスが減ることにより、運搬や焼却のために使う化石燃料の使用量を減らすことができるからだ。つまり、化石燃料の使用料を削減することによって、地球温暖化の原因である二酸化炭素の排出量の低減化につながると考える。第二に、経済効果を生むことができると考える。というのも、食品ロスが減ることにより、運搬や焼却のために使う化石燃料費用や焼却炉の維持管理費を減らすことができ、無駄な支出を減らすという経済効果が見込めるからだ。第三に、世界的な食糧不均衡の解消の一助になると考える。というのも、日本は多くの食料を輸入に頼っており、輸入食品の食品ロスを減らすことにより、その分を食糧が不足している国々に分配して、飢餓に苦しむ人々を救うことができると考えるからだ。



生活者として、実際の生活における行動のレベルと意識のレベルとにおいて、食品ロスを減らすために工夫を実践することができると考える。まず、実生活の行動レベルでは、たとえば、食品の買い物において、まとめ買いはできるだけ避け、必要なものを必要な分だけ購入することができる。また、食材を使い切る調理法を考案、実践したり、好き嫌いのある子どもにも食べられるように調理をすることも可能である。加えて、食べきれなかった生野菜などを漬物にして、保存して食べる工夫もできる。さらに、子どもたちへの食育をとおして、好き嫌いをなくして残さず食べることや、食を得られることへの感謝の気持ちを持つことを指導することも有効だと考える。他方、私たちの食にかかわる行動を変えていくためには、食品ロスの問題に対する意識を高めていくことも、生活者として肝要である。なぜなら、意識が変わらなければ人々の行動は変わらないと考えるからだ。したがって、世界に多数いる飢餓に苦しむ人々の現状について学びを深めたり、食品ロスが進行することによって派生する問題を知ることが重要だと考える。


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