2018 東京学芸大学 C類特別支援教育教員養成課程 推薦入試 小論文 模範解答

  オープンチャット「大学入試 小論文 対策相談室」

 
 集団活動が苦手な子どもに対して行う指導として、この生徒に集団活動を必ずしも行わなくてもよいことを伝えることが有効だと考える。この指導を行う目的は、集団活動をこの生徒に強いることによって、この生徒の心的負担を高め、快適に学校生活を送れなくなることを回避するためである。
 この指導を実践するための方法として、図書室や保健室など教室以外にも学びの場を設けることが挙げられる。というのも、教室において生徒たちが一律に授業を受けることが学校において最も中心的な集団活動であり、この生徒の心的負荷を高める要素であると考えられるからだ。また、他の生徒にも理解や配慮を求めながら、教員としてこの生徒がどのような点に集団活動上の心的負荷が高まるのかについて観察や分析を行う必要があると考える。なぜなら、この生徒が過ごしやすい場や空間を生み出していく工夫を行なっていく必要があるからだ。したがって、学級などにおいてこの生徒が活躍できる場所や場面を作っていくことが肝要となる。というのも、絵を描いたり、楽器を演奏したりするなど、この生徒が得意な事柄や分野において力を発揮することができる場所や場面にこの生徒を向き合わせることによって、集団の中で活躍し、結果として集団活動が可能であることを生徒自身に理解してもらえると考えるからだ。それゆえ、この生徒の特性を理解し、生徒の持つ力を生かすことができる様々な場面に生徒を巻き込んでいく働きかけを行っていく必要がある。その結果、この生徒が自信をもって他の生徒とともに諸々の活動に取り組めるようになる契機とすることができると考える。こうした指導による予想される成果として、この生徒が集団活動に対する苦手意識を緩和し、学校生活を安心して送れるようになることが期待できる。
 以上の指導においては、この生徒に対する深い理解がなければ有効な指導は成立しない。したがって、この指導を有効なものとするためには、教員がこの生徒と頻繁にコミュニケーションを取りながら、生徒に対する理解を深めることに加えて、この生徒の周囲の人間関係のあり方などについても観察や分析を行うことが方法として不可欠だと考える。それゆえ、教員はこの生徒に関わる他の教員とも連携を図り、この生徒についての情報共有を行いながら、生徒にとって望ましい学校生活を支援していく必要があると言える。
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