2015年度 慶應義塾大学 経済学部 小論文 模範解答

オープンチャット「大学入試 小論文 対策相談室」


設問A.
大学での教育の目的が、「知識」を授けることであるという見解については肯定できる。というのも、大学は役には立つものの新奇性のない知恵を与えたり、大衆の需要に応じて価値が決まる情報を与えたりするだけの場ではなく、知恵や情報を体系的に統一し、学生が新たな知の創発を行えるようにする場であると考えられるからだ。それゆえ、この見解については、大学での教育の目的が単に知識を「授ける」ことにあるとすることが、妥当かどうかが問題だと考える。なぜなら、大学の目的は、教育と研究を両輪としており、知識を一方的に授けることではなく、学生が研究によって自ら知識を創り出すことができるようにすることだと考えるからだ。
(296字)

設問B.
知識は人間だけによって創られていくものではないと考える。というのも、近年はコンピュータ技術の飛躍的発展によって、コンピュータのもたらす知見も増加してきているからだ。たとえば、スーパーコンピュータの発展により気象予測の精度が高まり、さらには気候変動予測への応用がなされ、新たな知の領域を拡大しているからだ。また、AI技術の発展により、ディープラーニングによって自動車の自動運転やがん細胞の検出などの医療分野への応用がなされ、得られた知識もある。以上より、コンピュータによって人間の知のあり方も変わっていくため、知識は人間とコンピュータとの共同作業によって創られていくようになると考えられる。
(293字)


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