2017年度 慶應義塾大学 経済学部 小論文 模範解答

オープンチャット「大学入試 小論文 対策相談室」


設問A

ソクラテス的論者の特徴は、以下の3点がある。第一の特徴は、伝統や権威を妄信するのではなく、自分自身で考え議論する点である。したがって、この論者は反権威主義的であり、議論の中身を重視する。第二の特徴は、数よりも議論にしたがい、少数派の意見も尊重する点である。第三の特徴は、自分自身に対しても批判的態度を崩さず、自分の考察に対しても注意深い点である。(173字)


設問B

ソクラテス的なやり方で議論をする能力を持つ人材は、どのような活躍ができるだろうか。私は、そうした人材は組織における公正さを維持する点で活躍すると考える。権威や圧力に屈することのない人材は、批判的態度を自分自身にも他者にも向けることによって、組織の不正を正すことができるからだ。たとえば、反権威主義的であることは、コンプライアンスの遵守の徹底を促進する点で健全な組織の維持のために有用だ。
 こうした人材が活躍するためには、組織において二つの条件が必要だと考える。第一の条件は、階層や役職にしばられず自由な議論を許容することだ。自由な議論が抑制されれば、批判的な見解が封じられる恐れがあるからだ。第二の条件は、イエスマンをよしとせず、少数派の意見も尊重することを組織の文化とすることである。なぜなら、少数であったとしも批判的見解が活かされ、健全な組織の維持につながるからである。(386字)

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