2019年度 東京学芸大学 A類保健体育選修、B類保健体育専攻 E類教育支援専攻生涯スポーツコース 推薦入試 小論文 模範解答

オープンチャット「大学入試 小論文 対策相談室」


問1.
筆者が常識を疑うことが必要だと考える理由は、大きく二つあると考える。第一に、常識のなかには、常識を踏襲することによって生じるマイナス面が存在するからである。たとえば、課題文においても、現在の日本の野球の伝統は武士道精神に基づく戦時中の野球の影響があることが述べられている。つまり、この伝統を引き受け続けてきたことによって、過度な練習が行われたり、体罰が横行したり、自分で考えて行動する人間が育たないなどの弊害があることが指摘されている。したがって、常識を疑う必要があると述べられている。第二に、常識を疑うことによって、現状をより良い方向へ改善する余地があるからである。たとえば、課題文において桑田氏も、これまでの「野球道」のあり方を疑い、定義しなおすことによって、これまでの日本の野球のあり方における欠点を改善し、現代に通用する新たな理念を提示している。それゆえ、常識を疑う必要があるといえる。(397字)



問2.
課題文では、常識を疑うことによって既存のスポーツにおける課題や問題点が改善、解消される可能性について示唆されている。それゆえ、これまでのスポーツのあり方に対して批判的な観点をもって関わることが必要であると考える。というのも、スポーツの現場には目下、様々な問題や課題があるからだ。たとえば、運動部活動への強制参加や長時間の活動に加えて、暴力的な指導などの「ブラック部活」の問題がある。しかし、従来は常識とされていた部活動の運営やあり方が見直され、これまでとは異なった運動部や部活動のあり方の一つとして、「ゆる部活」のような活動が広がっている。したがって、慣れ親しんでいるつもりのスポーツであっても、批判的な観点を持って関わる必要があると考える。また、批判的な観点を備えるためには、物事を多面的に見る力が必要となる。それゆえ、大学においても、学問分野にとらわれず広く横断的に学びを得ていきたいと考える。(399字)


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