見出し画像

2022年度 下関市立大学 前期日程(全学科共通 小論文「論述(長文理解)」 模範解答

オープンチャット「大学入試 小論文 対策相談室」


設問1
フリーライダーの視点から見た労働組合の問題について、筆者はふたつの観点で論じている。ひとつは、非組合員が組合費を払わずに組合によるサービスを享受できてしまうという問題である。たとえば非組合員は、組合員と職場環境を共有している以上、その職場環境の改善の恩恵を受けることができる。組合による労働環境の改善へのこうした「ただ乗り」は不公正である。もうひとつ筆者が指摘している問題は、この不公正さから生じる、組合脱退
者の必然的な増加である。たとえフリーライダーの割合が少なくても、ただ乗りによる不公正な状況への不満により組合を離れる者が出てくる。この脱退はさらにその他の組合員の脱退を誘発する。そうして、組合の加入者数も収入も減少してしまう。このふたつの問題は、組合を組合員のニーズに応える組織へ変えても解決されないので、労働組合の問題がインセンティブの問題にとどまらない難しいものであることが分かる。(397 字)

ここから先は

405字

¥ 3,000

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?