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2017年度 横浜国立大学 教育学部 学校教員養成課程 学校推薦型選抜(全国枠)小論文 模範解答

オープンチャット「大学入試 小論文 対策相談室」


問1.
エピステモロジーにおける初期の発達段階は、知識は絶対的に正しいか否かのいずれかであり、「正しい知識」は断片的にこの世界に存在するものであると考える。次の段階では、知識は解釈されるものであることは理解するものの、知識を構築するための仮説や理論の選択について相対主義に陥る。さらにもっとも高い水準の発達段階は、知識は単なる「考え」とは異なり、仮設や理論の評価によって、構築されるものであることを理解する。(200字)


問2.
筆者によれば、学びの達人になるためには、直観とともに批判的思考をともに働かせていくことが重要である。それでは、直観ならびに批判的思考を行うためにはどのようにすればよいだろうか。料理の方法を学ぶことを例に考えてみたい。
筆者によれば、直観とは豊富で精緻な知識を持つことを土台として生じる「ひらめき」である。したがって、「ひらめき」としての直観を得るためには、豊富な知識を備えておく必要がある。たとえば、これまでに作ったことのある料理の材料の種類や調味料の配合について知っていれば、新しい料理に挑戦する際にも経験的知識にもとづいて「こうすればよいのではないか」という「ひらめき」を得ることが可能となる。
また筆者によれば、仮設や、理論、あるいは言説を証拠にもとづいて論理的に積み重ね、知識を構築していくことが批判的思考である。さらに批判的思考は、知識や理論を構築していく実際の道筋を何度も経験し、いわば「体で覚える」ことによって体得できるといわれる。したがって、料理の方法を学ぶ際にも、得られた「ひらめき」に対して、これまでに作った料理における知識や経験を生かすことができないかを考え、考えられた方法を実際に適用し、その成否を検討するプロセスを繰り返す必要がある。その結果、新たな料理の方法について、こうすれば美味しい料理になるという知識を確立できると考える。(576字)
 
 
 
 


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