2018 横浜市立大学 医学部 看護学科 小論文 模範解答

オープンチャット「大学入試 小論文 対策相談室」


(1)
筆者には、妻の苦しみをどうしてやることもできないという事実を知りながらも、医学書や癌細胞の文献を読むことしかできなかったのに対し、妻の短歌から、妻が筆者の対応に不満を募らせていることがわかるため。(98字)


(2)
癌手術後の河野裕子は、病気以外の訴えには誰も注意を向けてはくれないことに不満がある。その結果、彼女の不満は家族に対しても向き、自分の苦しみをわかってくれない、わかろうとしないという思いを募らせている。
上記のような心情の彼女に対して、私が彼女の家族ならば、どのように関わるべきだろうか。私は、彼女に寄り添って彼女の言葉を受け取り、彼女のつらさに共感を示すことが必要だと考える。たしかに、医学的にはどうにもできないことはある。しかし、私は彼女に対して、「そこからできることがある」という積極的な気持ちや姿勢を維持していくことが重要であると考える。なぜなら、彼女の言葉や苦しみを受け止めて、応答できる可能性があると考えるからだ。つまり、「私は、あなたの言葉や苦しみを受け止めて、そばにいるという応え方をさせてもらいたい」というこの応答可能性こそ、彼女と私との間につながりをもたらすだろう。以上より、彼女の苦しみに寄り添い、そばにいるという応答の可能性を彼女に示すことが、私の彼女に対するあるべき関わり方だと考える。そして、その可能性を彼女も共有できるところに救いや癒しがあると願いたい。(490字)




(1)
男性の習慣的な喫煙者の割合は、平成17年には4割近くいたものの、平成27年には3割ほどにまで減少している。女性の習慣的な喫煙者の割合も徐々に減少し、平成27年には約8%と一桁台まで減少している。男女別の傾向にしたがって、全体における習慣的な喫煙者の割合も、年を経るごとに減少傾向が見られる。(145字)

(2)
図2から習慣的に喫煙をしている者のうちたばこをやめたいと思う者の割合は、平成19年から、男女別、全体においても増加傾向を示し、平成25年には一時的に割合が減少し、その後は総じて、増加と減少を繰り返している。図3から、喫煙者が禁煙または減煙したい理由が、特に、健康に悪いこと、お金がかかることであることが読み取れる。習慣的な喫煙者の減少傾向をさらに促進するために、我が国において禁煙を推進するための方策として、どのようなものが考えられるだろうか。私は、大きく二つの方策があると考える。
第一の方策は、マスメディアを活用し、全国的な規模での喫煙による健康への被害を具体的に訴えるキャンペーンの実施を挙げたい。禁煙・減煙を望む喫煙者の多くが健康に悪いことを理由としていることからである。第二の方策は、たばこ価格や税の増額である。たしかに、わが国のたばこ価格・税はこれまでに、何度か値上げされてきた。しかし、値上げ後でも先進国と比べてなお2、3倍の価格差があるため、今後継続的に引き上げることが必要である。というのも、禁煙・減煙を望む喫煙者の多くが、お金がかかることを理由に挙げているからである。(492字)


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