見出し画像

(基本解説024)国会議員の「一週間」を見てみよう

(政治や法律の基本解説)
(4分で読める)




国会議員は実際に毎日どんな
仕事をしているのか

国会中継を見ていると
居眠りしている議員もいるけれど




国会議員の一週間

月・火〜金
・国会へ出席(年間150〜200日以上)
・陳情を受ける(議員会館で受けることが多い)
・政治活動(国会での資料作りや勉強会、法案作り)

金曜の夜
・地元での活動のため帰る
・航空券や新幹線グリーン車のパスが支給される

土・日
・基本的に選挙活動
・国会報告会を開いたりする
・地元後援会の会合
・地元有力者の冠婚葬祭に顔出し
・週明けに永田町へ戻る



国会議員は普段「議員会館」にいる

 テレビの国会中継をみていると議場に空席があったり、ときどき居眠りしている議員もいますね。実際に国会議員はどんな仕事をしているんでしょうか。国会議員は普段、「議員会館」にいます。この議員会館は国会議事堂の近くにあり、衆議院には第一と第二、参議院にはひとつの議員会館があります。年末の予算編成が近づくと与党議員の地元から陳情の人たちが大勢やってきます。

国会を欠席する議員もいる

 国会への出席も大切な仕事です。国会は年間150日から200日以上も開催されています。国会審議に参加するのは国会議員の基本的な職務なのですが、欠席する議員が多いらしいのです。ベテラン議員や党の要職に就いているは特に多いようです。

無断欠席は規則違反

 国会議員には会社員のような就業規則はないのですが、議員の行動規範を定めた「衆議院規則」や「参議院規則」があります。衆議院規則では本会議を欠席する際には請暇書せいかしょ(お願い)を提出しなければいけません。さらに議員運営委員会で許可してもらう必要があります。本会議を無断で欠席することは立派な衆議院規則違反となるのですが、特に罰せられることはないとか。

勉強会は朝食をとりながら

 本会議への出席と議員会館での対応以外にも、自民党の議員の場合は、部会(常任委員会)と呼ばれる党の会合に出席します。部会では頻繁に勉強会が開かれています。関係者を呼んで話を聞いたりもします。国会議員は多忙なので、こうした勉強会は通常朝食会が多く、ホテルで朝食をとりながら話を聞いて勉強し、今後の政策を考えます。

金曜日の夜から地元へ向かう

 金曜日の夜には多くの議員が地方に向かいます。羽田空港発の機内や、東京駅から出る新幹線のグリーン車にも議員が何人も乗っています。これを国会議員の金帰火来きんきからいというそうです。国会議員は国会に出席するのが仕事ですが、地方議員は地元の選挙区のことも気になりますね。まして前回の選挙で落選したライバル候補が地元で挨拶回りをしているなどという情報を聞くと心配になってしまいます。

選挙に落ちればただの人

 次の選挙で落ちないように週末には地元で活動します。「猿は木から落ちても猿だが議員は落ちるとただの人」です。そこで、金曜の夜になると羽田空港や東京駅に向かうのです。ところで、国会議員には地元へ帰るための航空券や新幹線グリーン車のパスが支給されます。

土日は支援者への挨拶回り

 地元を大切にしていますよというアピールをするために、地元にも事務所をおき、奥さんが支援者への対応をします。議員さんは東京へ単身赴任なのです。土曜と日曜は地元で支援者への挨拶回りをしたり、冠婚葬祭などにも出席したりもします。月曜まで地元にいて火曜の朝いちばんで永田町に戻るという生活です。国会では火曜の朝から予定が入っており、そこで「金帰火来」という言葉ができたんですね。国会議員は意外と多忙なのです。

野田聖子衆議院議員の一週間

 政治家は本当に忙しそうです。野田聖子議員は、1年365日働くことを前提にしているという。仕事の柱は3本あり、現職の国会議員として、次の選挙の候補者として、そして母親としての仕事。この3本柱をどううまく組み合わせるのか常に考えている。だから、1週間のスケジュールには休みがないらしい。原則、月~金は東京、土日は地元選挙区の岐阜で活動する。
 酒豪の野田聖子さんは夜のお誘いは断らないとのこと。「昼間は人と話が進まないんです。夜、一杯飲んで話をすると昼間には意思疎通が図れない人や初対面ではとっつきにくいと思った人でも意外に話が進みます。このスタイルで20数年やってきて、これが成功の秘訣かなと思っています」。飲み会も大事な仕事なのですね。


参考文献
『政治のことよくわからないまま社会人になった人へ』海竜社 池上彰
より適宜抜粋



1,844字

 




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?