2022/03/24 結婚報告をだれにするか

私は先日結婚をした。といっても、交際期間が7~8年で、3年も同棲していたので、特別な感情はない。そもそも、私から見れば結婚は役所に書類を提出するだけの「簡単なお仕事」である。ただ、書類を提出するだけで様々な権利がもらえるのだから、やっといて損はない。

さて、問題は結婚報告をだれにするかである。これは私にとって非常に難しい問題である。もちろん、家族には伝えた。あと職場の上司にも一応報告した。

頭を悩ませたのは友人への報告だった。高校からの親友には伝えたが、大学の友達にはほとんど伝えていない。別に大学の友人と仲が悪くなったわけではないが、何となく疎遠になっていったこともあり報告で来ていない。疎遠になった理由は、地方に帰って直接会えなくなったこともあるだろうし、東京に残った友人も仕事で忙しくて会う機会が減っていったこともあるだろう。

最近ではSNSを使って写真付きで結婚報告をする友人が増えている。指輪や婚姻届けの写真は確かに「映え」るし、一度の投稿で結婚報告を終えることができるから、手間も省くことができる。

でも、SNSを使うのは私の性格に合わない。SNSは自己顕示欲の結晶だと思うし、私の性格がひねくれているのかマウンティングに見えてしまうのである。もちろん、自己顕示欲を否定する気は全くない。むしろ私は自己顕示欲が高い。ただ、「私は自己顕示欲が高いことを知っている」ので、マウンティングに捉えられないようリスクマネジメントをしているのである。

あと、SNSは私事ばかりなのに、結婚報告のときだけ「私事ですが」と改まるのも腑に落ちない。「腹が減った」も「2日寝てない」も「結婚しました」もすべて私事であって、前2つはほぼほぼ独り言だ。もはや、「結婚しました」も独り言なのか?いや、そうではない。前2つと差異化させるために「私事ですが」と改まる必要があるのか、と今書いていて一人で納得してしまった。

脱線してしまったので、話を戻す。結局、時間差はありつつも仕事関連の人や大学の友人にも個人的に結婚報告をするようになった。伝え方は、いきなり結婚報告をするのではなく、Lineなどで会話することがあったときのついでとして伝えた。私にとって結婚はロマンティックなことでも特別なことでもないので、そのような伝え方が一番楽だった。

そうこうしていたとき、又聞きで私の結婚を知った人から「なんで教えてくれなかったんですか。私たちはそこまでの関係なのね。」と冗談として言われた。その人は仕事関係でお世話になっており、私よりも5個くらい年上である。

冗談だとしてもその言葉は、価値観の違いを突き付けてきた。私は結婚報告をする相手としない相手を友人関係の深さで選んではいなかった。わかりやすく言えば、「○○さんとはとても仲が良いから伝えよう。△△さんはそこまで友達ってわけじゃないから伝えないでおこう。」というような判断をしなかった。あくまでついでの話であり、「そういえば、駅前に新しくラーメン屋が出来た」という報告と重みは変わらない。新しくできたラーメン屋のことを仲の良い友人から順番に伝える人はいないだろう。おそらく、結婚に対する重みが私とその人とで大分異なるのだ。

その人が悪いとか、嫌いになるとか、そんなことは一切ない。むしろ、割と仲の良い友人から結婚報告をしてもらえなかったら、同じリアクションをする人が多いのではないか。一般的なのは、向こうで私の考えは少数派だ。

結婚報告をだれにするか、こんなことはだれにも相談したことがないし、聞かれたことがない。でも、もしかすると、他の友人たちはアドバイスを受けて「正しく」やっているのかもしれない。そして、私のしていることは、一般的に「正しく」ない無礼ことなのかもしれない。私たちが友人になったのは、社会通念や礼儀がいらなかった頃じゃないか。みんな良くも悪くも「大人」になって、私は良くも悪くも「子ども」のままなんだなと思った今日この頃でした。


残念なお知らせが届いたショックをごまかすために文章を書いた晴天の日

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