2023年5月【スタートアップ】 注目のニュース
政策共創プラットフォーム『PoliPoli』(https://polipoli-web.com/)を運営する事務局が、2023年5月の「スタートアップ」に関する注目ニュースをお届けします!
(1)法人登記の代表取締役の住所を原則非公開に見直しする提言が岸田総理に提出される
会社登記の際に登記簿に代表取締役の住所が記載されて誰でも簡単にオンラインで閲覧できてしまうことで、フリーランスで働く人が事業を拡大したくても法人化に踏み込めない、郵送物が送られるなどの嫌がらせを受けているなどの声が上がっている。
この点について、一般社団法人クリエイターエコノミー協会をはじめとする計6団体が共同で、個人情報保護に関する提言書を「自由民主党 新しい資本主義実行本部スタートアップ政策に関する小委員会」宛に5月8日(月)提出され、その翌週当委員会から岸田総理へ渡され、スタートアップ企業支援の一環として見直しが行われている。
(2)「新しい資本主義実現会議」でリ・スキリング、人材の流動性などが討議される
スタートアップ育成を加速させていくための仕組みづくり等が話し合われる「新しい資本主義実現会議」において、人材面に焦点を当てた会議が5月開催された。
この会議では「三位一体の労働市場改革」として、リ・スキリングによる能力向上支援、個々の企業の実態に応じた職務給の導入、成長分野への労働移動の円滑化を同時並行で仕組みを作っていくことで、多様な働き方の実現、GXやDXなどの新しい潮流に取り組むスタートアップ業界などへの優秀な人材の労働移動機会のを積極的に支援していく姿勢が改めて示された。
(3)信託型ストックオプションの課税について、国税庁が見解
会社があらかじめ決めた価格で株式を取得できる権利「ストックオプション(新株予約権)」は、スタートアップ企業が、優秀な人材獲得する上で、また従業員のモチベーションの向上などの多くのインセンティブをもたらすものとして積極的に活用されてきた。
2023年2月の衆議院予算委員会で、これまで多くの企業で利用されていた信託型ストックオプションの税務上の取扱いについて、国税庁から行使時の経済的利益は「給与として課税される」旨の見解が明らかにされた。
その後の5月に開催されたスタートアップ関係者向けの説明会の中で、税制適格ストックオプションの新しい枠組みも公表され、スタートアップを後押しする姿勢も見られた。