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2022年度のいじめの認知数が調査開始以来、過去最多に

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2022年度のいじめの認知数が調査開始以来、過去最多に

 10月3日に、熊本県大津高校サッカー部内でいじめが発生していたことが記者会見で公表されました。熊本県教育委員会は、この事件を「重大事態」として、第三者委員会を設置することを決定し、調査を行うこととしています。

 このようないじめの事件がある中で、文部科学省は10月3日、毎年行っている「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」を公表しました。
 調査によると、小・中・高等学校及び特別支援学校におけるいじめの認知件数は681,948件で、昨年と比べ10.8%増加しています。
文部科学省はいじめの認知件数の増加について、
1.2022年度は、新型コロナウイルス感染症による制限が解除され、部活動や学校行事などの活動が再開した
2.「いじめ防止対策推進法」による、いじめの認知に対する理解や、アンケートや教育相談の充実などによる生徒に対する見取りの精緻化が広がった3.SNS等のネット上のいじめについて積極的な認知が進んだ
ことなどを理由に挙げています。

<課題>

  • 小学校でのいじめを中心にいじめの絶対的な認知件数が増加している。

  • 「パソコンや携帯電話等で、ひぼう・中傷や嫌なことをされる。」の件数は全体として、増加傾向にある。

  • 解消に向けた対策が何ら取られることなく放置されたいじめが多数潜在する場合があると懸念がある。

<令和6年度の概算要求におけるいじめに関する取組>

  • 文部科学省では、スクールカウンセラーの配置を2023年度より7,800校に拡充(今年度:7,200校)、スクールソーシャルワーカーの配置を10,000校に拡充(今年度:9,000校)。

  • GIGAスクール構想による1人1台端末を活用した「心の健康観察」を全国の学校で導入促進し、メンタルヘルスの悪化や児童生徒が発するSOSの早期発見・早期支援を行う。

  • こども家庭庁では、「いじめ調査アドバイザー」による第三者性の確保を推進する。

<参考>
文部科学省「令和4年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について(概要)」
e-Gov「いじめ防止対策推進法」
文部科学省「令和6年度文部科学省 概算要求等の発表資料一覧」

<いじめに関する各省庁の取組>
文部科学省「いじめの問題に対する施策」
こども家庭庁「こども家庭庁におけるいじめ防止対策」
法務省「「いじめ」をなくすために」