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『ピンク・バス』を読んで

妊娠がわかった主人公サエコのもとに、長らく音信不通だった夫の姉である実夏子が現れた。サエコの家に住み着いた実夏子は奇妙な行動ばかりとる。夜中に化粧を始めたり、冷蔵庫のハムを丸ごと食べ始めたりと。

読了後、不思議な感じになりました。なんだかふわふわとスッキリしない感じ。

サエコは妊娠がわかって、自分はみんなと同じになれたと喜んだ。サエコの周りの友達は結婚して、子どもを産んでいたから。
そんなサエコだけれど、学生時代はホームレスの男子大学生と生活をともにしていた時期もあった。彼には他の人にはない魅力があるように感じて。

学生の頃は人と違うものを持つ人に憧れていたのに、いつしか周りと同じ自分になっている。みんなと同じだったら安心する。でも心のどこかでは周りと違う自分になりたいと思っている自分がいる。そんな心の揺れを感じさせてくれるようでした。

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