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『きのこ会議』を読んで

ある夜、きのこたちが集まって会議が開かれた。
お別れの会が開かれ、それぞれのきのこ達が演説を行った。
松茸は「人間たちが傘を開かないうちに喜んで持っていってしまう」ことを嘆いた。
それに対し、毒茸たちは「世の中の役に立つから取られてしまうのだ。役に立たなければいじめられはしないのだ。自分の仲間だけ繁昌すればいい」と訴えた。
その後、人間たちが茸狩りに来たのだがー。

自分さえ良ければ、自分だけが幸せになれたら。そんな考えもあっても良いと思うし、そんな人もいると思う。
でもこのお話の中では、自分たちだけが繁栄すればいいと考えていた毒茸たちの運命は決して幸せなものではない。
人の役に立つことを考えていた椎茸や松茸たちは人に取られてしまうのだが、それは人間たちの栄養となり、命となる。そして人間たちがキノコ栽培に精を出すことで、それは茸たちの仲間が増えることにも繋がる。

椎茸や松茸のような人間でありたいと思う。



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