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ナッジとデザイン研修@北海道 2021/6

こんにちは! PolicyGarage(愛称ポリガレ)企画広報チームです。
2021年6月4日、北海道庁の職員有志によるナッジ・ユニット「北海道行動デザインチー(HoBiT)」の皆さまに、ナッジとデザイン研修をZoomにて開催しました。
新年度を迎えてHoBiTに新しいメンバーが加わり(うれしいですね!)、「ナッジや行動デザインの基礎的な考え方や知識を改めて学びたい!」というご依頼で、約2時間の初級編ワークショップとしました。

今回の研修報告記事は、こちらも新しくメンバーとして企画広報チームに加わってくれた老月梓さんの執筆です!

研修の流れ
第1部 ナッジの基本的理解 ~EASTモデルを中心に~
第2部 デザインプロセス入門 ~インタビュー調査とジャーニーマップ~
質疑応答・意見交換

20210605‗ナッジ初心者向け研修(HoBiT)

第1部 ナッジの基本的理解
ナッジを考える際に使われている代表的なモデルである「EASTモデル」※1に沿って、ナッジを設計するプロセスを解説しました。人々の行動変容を起こすためには、望ましい行動を妨げる「摩擦」を減らすことと、その行動を後押しする「燃料」を増やすことがポイントになります。

20210605‗ナッジ初心者向け研修(HoBiT)


「ビュッフェの食べ残しを減らすには?」というお題でのナッジ考案のミニ演習では、「最初から小分けで提供する」「お皿を小さくする」「取り箸を使いにくくしてしまう!」と多くのアイディアを出していただきました。
中には実際に食ロス削減のためにレストランで実践されているアイディアも。ナッジはけっして小難しいものではなく、コツをつかめば誰でも考案できることを実感していただけたかと思います。

〔※1〕EAST Easy, Attractive, Social, Timely(簡単・魅力的・社会規範に訴える・最適のタイミング)の略で、ナッジを取り入れて望ましい行動を実現させるために欠かせない考え方。

第2部 デザインプロセス入門

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デザインのプロセスは大きく分けて「問題を定義する」(調査/探索、整理/収束)と「解決策を作る」(試作開発、検証)に分けられます。

今回は「問題を定義する」の段階で使われる「インタビュー調査※2」と「ジャーニーマップ※3」について実例を交えて解説しました。どちらの手法でも、「思い込みを捨てて、相手や対象の方の具体的な行動から出発すること」「複数人のチームで作業し、共通認識を作っていくこと」が重要です。

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デザイン思考のポイントは、「問い」に集中すること。自分たちが何を解決しようとしているのか、問いを見極めることによって、解決策も磨きこむことができます。

〔※2〕課題となっている人の行動の原因を深く掘り下げるため、「なぜその行動をとったのか」を聞き出し、望ましい行動につながる動機や、望ましい行動を妨げている理由を分析する手法。
〔※3〕課題となる行動のプロセスに沿って、その行動の原因と改善につながるポイントを時系列に並べたマップ。関係者全員で状況を共有することができ、より効果的な解決策につながる。

Q&Aタイム!
質疑応答・意見交換タイムでは、「関連部署や上司にナッジ的手法を理解してもらうためにはどうプレゼンしたらいいか」、「ナッジやデザイン思考を活用するためには、失敗を許容する環境やマインドセットが重要だと感じた」、「行政の場でも、多様なユーザーや多様な課題に対応していくため、小さなところから試行していきたい」「行政分野でのより多くのナッジ事例にアクセスしたい」といった活発な質疑・意見が交わされました!

(書き手/老月梓)

HoBiTの皆さま、約2時間のワークショップ、お疲れさまでした!
HoBiTでは既に、ナッジを応用した野生のシカ、クマ対策の検討に着手されています。今後の展開から目が離せませんね!

ポリガレではこうしたナッジ・EBEM・デザイン研修を随時開催しています。facebookコミュニティでは気軽に情報交換もおこなっていますので、ご関心をもって頂けた方はぜひご参加ください!
最後までお読みいただきありがとうございました。


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