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ポリガレメンバー、どんな人?(1)


こんにちは!PolicyGarage(愛称ポリガレ)の企画広報チームです。
ポリガレのメンバーって、どんな人たちなの・・・?と気になりますよね! ということで早速、インタビューしてみました。
まずは、PolicyGarageと、その前身となるYBiT(横浜市行動デザインチーム)の発起人の1人である、津田広和さんから!

―活動のきっかけについて教えて下さい。
留学先のシカゴ大でEBPMの考え方に出会いました。EBPMを日本の社会で実装させたいと考えていた中、横浜市役所に出向する機会を得ました。地方自治体では、省庁や大学と異なり、住民に直接サービスを届けるという現場があります。その現場でEBPMの実装にチャレンジしようと、市役所内で担当部署の方々と勉強会を開催するなど、EBPMの考え方を広めようとしましたが、なかなか、砂漠に水をまいているような感じで思うようには進みませんでした。
というのも、やはりEBPMが小難しいと思われてしまったり、そうした新しい分野に取り組んでもらうことに壁があったり・・・。

そんな中、「横浜市調査季報」のデータ活用特集(2018年)で、ぼくはEBPMに関する事例紹介の寄稿をしていたんだけど、「すごくおもしろい記事を書いている職員がいる!」と発見しました。その後、YBiTとPolicyGarageで発起人として活動を共にしている大山紘平さんです。

―運命的な夜があったと聞きました。
お互いの寄稿がきっかけで、ひとまず飲みにいきましょう!と。大山さんは、他にも同じ問題意識や考えを持つ市職員の方たちを連れてきてくれて、飲みながら終電ぎりぎりまで語り合い、意気投合しました(笑)。みんなで坂本龍馬像をまねた記念写真まで撮って、「世の中変えちゃいますか!」と。
それぞれが自分の業務で、「EBPMの政策は大事だけど、なかなか進んでいかない」ということにフラストレーションを抱えていました。だけど、そんなおもしろい取り組みをしている仲間が、実は横浜市にいるってことに気づけた。「だったらもう、有志で勉強会を立ち上げようぜ!」という話になり、その夜から1ヶ月後、政策イノベーション研究会をスタートしました。2018年の夏のことです。

―仲間の輪をどうやって広げたのでしょうか。
 職員有志という切り口で始まったから横浜市役所内の担当部局にこだわる必要もなく、市役所の中でもおもしろい人を集めよう!とまず考えました。かつ、単におもしろいだけではなく、実際に市役所の中で、僕らが大事だと思っていることを進めていけるだけの影響力を持ち合わせている人が望ましい。なので、課長や係長という一番仕事に脂がのっているクラスから1本釣りのような感じで、僕らの活動に賛同してくれそうな人の名簿を作り、どんどん声をかけました。そこから研究会につなげました。

研究会メンバーで勉強会を重ねる中、「それでもやっぱり、EBPMを前面に出すと難しいよね」と悩んでいました。そこで、比較的取り組みやすい「ナッジ(行動経済学)」から入っていくと、もっと裾野が広がるのではないかと思い、2019年2月、ナッジ・ユニットとして研究会も衣替えをしました。
それまでは政策イノベーション研究会として、政策イノベーションというのを幅広く捉えながら、その中でEBPMに注目していたんだけれども、「EBPMにいきなりチャレンジするのではなく、その手前のナッジってところから始めよう」ということでナッジ・ユニットとして活動を始めたんです。

そのとき僕らがミッションとしていたのは、「EBPMやナッジを市役所に実装させ、より効果的なサービスを市民に届ける」ことと、もう一つは「それによって職員が、行政で仕事をすることにワクワクする!」ことです。
ワクワク感がないと、EBPMなどの手法や市民に効果的なサービスを届けるということばっかり前面に出しても、広まっていかないと感じていました。そのワクワク感を共有できる人たちを、どんどん仲間にしていきたい!というふうに活動してきたんです。
与えられた仕事や所属する組織をちょっと超えて、新しいことにチャレンジしていく。さらにそのことを通じて、言われた仕事をこなすだけでは感じられなかった、仕事に対するワクワク感も得られる仲間、そこで主体的に活動していける仲間を集めていきたい、ということがメンバーの中でコンセンサスとしてありました。

―ポリガレとして全国の仲間づくりが期待されます。
正直、自分が大事だと思っていることに腹の底から共感してくれる仲間が、3、4人さえいれば、活動は勢いを持って広がり、継続できるものです。だから、少人数でもコアな仲間がいれば大丈夫なんだけど、こういう輪を、一部のイノベーター気質な人とか組織の枠に収まらない人だけで終わらせずに、全国のあらゆる自治体や省庁で当たり前にしていくためには、やはりこの裾野を広げていく必要があるんです。

PolicyGarageとしての活動は、全国の自治体に広めていきたいし、やりたいなと思っている自治体の職員の方々も潜在的にたくさんいるはず。でもそれぞれの組織の中で、孤立していたりします。
そういう潜在的な仲間と、僕らポリガレがつながって、彼らが一歩踏み出そうとするときに、そのための武器を与えたり、後押しする仲間とのつながりを提供したり、これはとても大事な役割だと思っています。そうすれば、それぞれの組織では孤立しているけれど、潜在的にパワフルで影響を及ぼせるような人たちが、一気に動き出し、社会に対して働きかけができるようになるのではないでしょうか。
さらにそこと実際の政策の結びつきが生まれていくような枠組みを作れたら、非常におもしろいですよね。自分自身がそれでワクワクします!

―ワクワク感は大事なポイントですね。
ポリガレのメンバーそれぞれで、どんなワクワク感を持っているかというのは異なると思うけど、僕はどちらかというとまじめなワクワク感ですね。
省庁や市役所で仕事をしていて、本当にそれが、この国や自分の子供、市民のためになっているのか・・・率直に疑問を感じていました。職業として行政を選んだのは、公的な分野の問題解決に取り組みたいという思いがあるから。でも、それに応える仕事をしているのか、手応えが感じられないこともありました。
EBPMに出会ってからは、日本社会で実装させていくことに本業を超えて取り組み、YBiTが進化してPolicyGarageになりました。このようなNPOや中間支援団体といった組織が、これからの行政にとってすごく大事だと思っています。なぜなら、行政だけではもう、社会の課題に応えきれなくなっているから。日本の公共の分野でさらに重要な役割を担うプレイヤーとして、もっと増えていくべきです。
行政で働いている人たちも、従来みたいに、自分が入った省庁や自治体でずっと働くというのではなく、もっとそこを飛び出していろんな経験を積むことが、社会の要請に応えるために必要だと思います。
どうやってそれを実現できるのか分からないという方もいると思いますが、僕らポリガレは、そこを切り開いていくポジションに立っています。多くの人たちが、僕らの活動を見て期待してくれています。

僕がこれまで感じていたフラストレーションを解消するような取り組みを、自分自身で切り開いていけることに、ワクワク感と表現するのか、手応えというか、達成感というか分からないけど、そういうものを感じています。
自分の成長にもつながるし、集まってきたメンバーは、自分にない魅力や才能を持っています。チームとして、1人では信じられないようなことを、どんどんできるようになってきました。言いようのない高揚感があります。メンバーのみんながどんなポジティブなことを得られているか、それぞれ違う言葉で言い表せるだろうし、感じ方もさまざまだと思うけど、それが良いんです!(完)

写真/志水新さん

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